2021 Fiscal Year Research-status Report
見方・考え方を視点に幼小の接続をふまえた造形教育教員養成カリキュラムの編成
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21K02514
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小橋 暁子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60468395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槇 英子 淑徳大学, 総合福祉学部, 教授 (20413099)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 造形教育 / 教員養成 / カリキュラム / 幼小接続 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「造形的な見方・考え方」を軸に幼小の接続を図り、将来の保育者や教員が自ら、領域や教科の活動の意図を理解した上で活動計画をする意識と知識を持つことができる教員養成のカリキュラム編成が目的である。研究手法として研究者、学校園現場の保育者、教師を交えて養成校と現場を往還し、質的な研究からより実践的なカリキュラム編成を目指す。 今年度は①幼小で共通して観察できる研究環境を整えること、②養成校学生の実態把握や授業の試行、③現職教員、保育者の養成校での造形教育へ対する希望を知ること、④それら初年度の成果を次年度に発表する土台をつくることが活動の中心となった。 具体的に①については、前年度までの科研研究(16K04745)を元に幼小の造形活動で双方に共通し、汎用性の高い「砂や土」を素材として用いた幼児や児童の活動実践を取り上げ観察をすることにした。その内容を養成校の教育につなげるために、初年度は主に小学校の観察環境の充実のため協力小学校内に簡易砂場の設置を行った。また幼児教育では小学校に先んじて、協力幼稚園において砂場の観察を継続的に行い、比較可能な資料作成を行った。 ②については、子ども理解や教材内容理解を目的として、養成校授業内で児童の活動の様子と合わせ砂や土を用いた内容の試行を学部生で実施した。その他、社会教育施設での子どもの造形活動などを院生や学部生ゼミと行い、試しの実践活動を重ねていった。 ③については、小学校教員、幼稚園、子ども園教諭や保育園保育士を対象に養成校で造形教育に関して身に着けて欲しい事柄について質問紙調査を行った。研修内でも砂等を使った活動の講義や実技活動を試行した。また観察協力小学校と幼稚園間の連携のために、双方の教諭が集まり造形環境の確認や相談を行った。④については、各研究者がテーマに関する論文執筆を実施した他、次年度に学会でのポスター発表を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は研究環境を整えることが大きな目的だった。各研究協力校園から大きな協力を仰ぐことができ、次年度から調査ができるような状況をつくることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
①初年度に整えた研究環境の中では、主に幼児、児童の砂や土を使った造形活動の観察を進めていく。個人情報に注意した上で画像や動画などで記録し、養成校の授業での活用の方法を探る予定である。②養成校を対象にした調査については、初年度は主に小学校教員養成の学生への試行であったが、2年目は幼児教育教員養成の学生においても試行を重ねていきたい。③現職教員、保育者への調査は、初年度は質問紙調査や記述を中心とした調査を実施した。2年目はその記録をもとに、具体的な内容を調査するためにインタビュー等を実施していきたい。④研究成果の公開については、学会や論文他での発表や、研修等で前年度までの研究内容を教員対象に講義を通して伝える等、随時実施していきたい。
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Causes of Carryover |
21年度は、主に研究代表者の担当分野である小学校での調査環境を整えることに注力した。幼児教育担当教員者はすでに環境がある程度整っている為、助成金の使用が抑えられた。そのため該当の使用額が生じた。翌年度以降は、調査が進むため、当該助成金も使用していく。
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Research Products
(4 results)