2021 Fiscal Year Research-status Report
中堅期に向かう教師に対する介入参画アプローチによる力量形成に関する実証的研究
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21K02535
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
山口 孝治 佛教大学, 教育学部, 教授 (50460704)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 授業研究 / 体育科教育 / 教師の実践的思考様式 / 教授戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度にあたり,被験教師の現在の実践的思考様式を,教授戦略の発揮の実態から明らかにすることを目的として進めてきている。 被験教師は何れも採用7年目の3名の小学校教師であった。これに比較対象を目的として採用10年目の教師1名を加えた。採用7年目の教師はそれぞれ,1年生と5年生及び6年生の担任であった。また,採用10年目の教師は4年生の担任であった。 各被験教師には1単元の授業実践を依頼した。その際,単元の前後で「予想されるつまずきの類型と対処法の知識」の記述を求めた。また,児童の情意面での学習成果を明らかにするために「態度得点」尺度の実施を依頼した。併せて,実践中の単元の序盤・中盤・終盤の3単位時間の教授活動の様子を収録するとともに,各時間後には「出来事調査票」の記述を求めた。被験教師の内1名がコロナ禍等の影響もあり,冬期の実践になったため,現在,収集したデータの分析中である。 その結果,6年生の「跳び箱運動」の授業では,男子の授業評価は「高い」結果であったが女子の授業評価は「低い」結果であった。これには,授業展開場面において施された練習活動や用具の工夫(ロック・イン戦略)が,女子には効果的に作用しなかったことに依るものと考えられた。また,1年生の授業においては,男子・女子ともに単元前よりも下がっていた。これには,低学年の子どもたちにとっては十分な身体活動量が保障されずに,知的活動が多くなってしまったことに依るものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初,4名の被験教師に研究依頼を行っていたが,内,1名についてはコロナ禍のこともあり学校長の承諾を得られなかった。また,承諾頂いた被験教師についても,秋に授業実践を依頼していたものがコロナ禍や学校事情等により1名の実践が3学期になってしまった。そのため,データの収集及び分析を現在行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は2年目に当たるが,今年度承諾を得られなかった被験教師については,次年度も再度依頼を行い許可が得られれば授業実践を依頼する。得られない場合については別の被験教師をお願いする予定であり,その目処は立っている。また,授業収録の時期については,昨年度のようなコロナ禍における影響を受ける事態からは脱せるものと考えられるため,予定通り次年度の秋に授業実践・収録を進める予定であり,それに向けて当初の計画通りに夏期に打ち合わせを行う予定でいる。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため,予定していて学会発表が現地開催ではなくオンラインによる開催が多かったため,旅費等が当初の計画より実行できなかった。次年度は現地開催予定の学会も増えてきており,また,調査等により旅費の使用を進めていきたい。併せて,被験教師の謝金についても今年度内に執行できなかったため,次年度に執行する予定である。
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