2021 Fiscal Year Research-status Report
本を介して新たな言語環境を作り出すことを意識した国語科授業開発に関する研究
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21K02539
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
森田 真吾 千葉大学, 教育学部, 教授 (10361403)
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2021-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 読書指導 / ブックイベント / 言語環境づくり / 読書コミュニティ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小・中学校における国語科学習指導の中で、学習者に能動的な言語能力を養い、対話的な言語活動を促進する場を現出させるために、本を介した様々な読書活動（ブックイベント）に注目し、どのような読書活動を行うことが有効であるのかという点を明らかにすることを目的としている。ともすれば一過的な活動に留まりがちなブックイベントを、その場にいる学習者同士がともに新たな言語環境を作り上げるという発想から捉え直し、豊かな読書生活を実現するための活動モデルを提案しその有効性を検証するものとする。
今年度は、まずは現状をおさえるために広く先行実践・活動を渉猟し、どのような読書活動が国語科指導の中に取り入れられようとしているのかを検討し、その意義と問題点について整理を行い、それに基づいて試行実践を勤務大学の大学生を対象にして行った。
先行実践・活動の検討からは、学習指導要領の改訂を受け、小・中学校の国語科教科書単元においても本の紹介を中心としたブックイベントが盛んに取り上げられるようになっていることが確認されたが、依然として一過性の高い活動に留まっているという問題点は残されたままとなっていることが明らかとなった。
そうした状況をふまえ、参加者の主体的で対話的な言語活動を成立させるためのブックイベントの要件を探るために、勤務大学における担当講義の受講学生を対象とした試行的予備実践（日本全国ブックツアー）を立案・実施してその検証を行った。この試行実践においては、コロナ禍における急速な指導内容のオンライン化という状況をふまえ、同じ活動内容につき、受講者にはオンラインとフェイス・トゥ・フェイスという双方の活動を経験する場を設け両者の比較検討も行った。その結果、受講生の振り返りにおいてはフェイス・トゥ・フェイスのやり取りの良さを評価する意見が大半を占めるという帰結を得ることができた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
依然として続くコロナ禍の影響で、全国の書店・図書館や地域コミュニティで展開するブックイベントの多くが中止を余儀なくされている。ただし、状況に鑑みて引き続き現地に赴き、フェイス・トゥ・フェイスでの本を介したやりとりの実態調査の方策を探るとともにオンラインでのブックイベントのあり方にも視野を広げて検討を行うこととする。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度行った先行実践ならびに予備的試行実践の検討の結果を踏まえ、今年度は勤務大学教育学部附属中学校に協力を求め、主体的・対話的な言語活動を実現させるためのブックイベントのあり方について実証的な検討を行うこととする。
試行実践より明らかになった点としては、本を介したやりとりにおける参加者の主体的・対話的なやり取りを促進させるための要件として、その場で提供される本に関する紹介者と被紹介者とが互いに有する既知情報と未知情報のバランスなどがあるということが挙げられる。そうした検討結果に基づき、まずは中学校段階における活動モデルの具体化を図り検証を行う。
活動モデルの具体化にあたっては、附属中学校の国語科教員とともに協議を行い（今年度前期中に打ち合わせのための研究会を複数回行う予定）、実際に教室をお借りして読書活動を展開することにしている（後期に行う予定）。
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| Causes of Carryover |
実地調査に赴くために予定していた旅費がコロナ禍の影響で使用できず、次年度に繰り越すことにした。次年度は状況に鑑みつつ、今年度実施できなかった実地調査を行う予定である。
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