2021 Fiscal Year Research-status Report
Construction of the digital archive of learning units designed with contents and guidance sheet for the self-learning
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21K02545
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伏木 久始 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (00362088)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 単元内自由進度学習 / 自己調整学習 / 自律的な学び |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である令和3年度は「自由進度学習」に関わる先行研究をレビューし、特にジマーマン著の論文を中心に自己調整理論の概要を理解することに努めた。これらの成果と中央教育審議会の答申に登場した「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的充実という方向性の接点を考察し、協働的な学びを深い学びにするためには個別最適な学びのあり方が重要であることを雑誌論文にまとめた。 同時に、実践研究として、単元内自由進度学習の単元づくりに挑もうとする小中学校の開拓と初期環境設定のサポートを行った。具体的には、長野県内において須坂市立豊洲小学校、木曽町立福島小学校、王滝村立王滝小学校、茂来学園大日向小学校の4校を協力校として単元構成と授業実践を展開した。各校ともその実績をもとに次年度にさらに実践単元を増やしていくための協議を進めた。 本研究の実践指導に際しては、東京学芸大学の佐野亮子氏に小学校の単元づくり及び学習シート作成について具体的な研究指導を依頼し、実践指導においてもご協力をいただいた。 初年度の試行実践という位置づけではあったが、日本個性化教育学会においても単元内自由進度学習に関する分科会を設けて、広島県や山形県内の実践校との情報交流も促進させた。 なお、初年度に長野県木曽郡のケーブルテレビと共同して、自由進度学習の実践場面を撮影して、教員研修において映像教材として有効活用できるものを製作する予定であったが、コロナ感染状況を理由に外部の人間が教室内に入れない時期と撮影スケジュールが重なったため、予定した教材作成は令和4年度以降に延期することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症防止対策を優先し、各協力校への訪問指導が予定通り実施できなかったことで、単元づくりとその実践のスケジュールにやや遅れが生じた。また、ケーブルテレビと共同で実践映像を撮影・編集して、教員の研修教材用のビデオを作成する予定であったが、外部からの取材者が学校内に入れなくなったことなどが理由で撮影が延期された。 以上のことから、予定したスケジュールどうりの成果を得ることはできなかったが、協力校における実践は着実に進められ、満足できる成果が得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、前年度の試行実践の実績のある協力校4校に加え、長野県内において平谷村立平谷小学校および天龍村立天龍小学校・中学校も、単元内自由進度学習の実践研究協力校として加わることになった。2年目の今年度は、これら6校における単元内自由進度学習の実践記録を整理し、どういう点で苦労し、どういう成果を得られたと感じているのかを聴き取り調査や質問紙調査により把握し、映像撮影・編集と合わせて、教師向けの研修ガイドラインの作成に向けたデータ収集を行う。 また、研究代表者がフィンランドへ在外研究に出ているため、フィンランド国内の基礎学校をフィールドとした単元兄自由進度学習を、学校現場で紹介し、共同研究体制を整備する。 最終の令和5年度には、フィンランドと日本の学校同士がオンラインで繋がり、教師同士が単元内自由進度学習の意義を意見交換するフォーラムが企画できるよう準備を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染防止ガイドラインにより学校現場への出入りが制限されたことで、当初の予定通りの研究活動ができず、想定していた出張等等の予算執行ができなかった。また、その研究活動の遅れから、アーカイブするシステムを構想するための全体構成が遅れ、予算執行を次年度に先送りした。
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