2021 Fiscal Year Research-status Report
食材を用いたマイクロスケール実験における新 しい遠隔教育方法の開発
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21K02557
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
太田 尚孝 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 教授 (40223838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 陽子 鎌倉女子大学, 教育学部, 講師 (80847806)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 理科教育 / ICT教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の序盤から中盤の段階では,家庭内で安全に実施することが可能な理科教育用の教材を複数提唱した。はじめに,中学校理科の定番実験として知られている白い粉の判別の改良を試みた。具体的には,食塩,ビートグラニュー糖,キヌア粉,米粉を用いた有機物・無機物の判別が可能な小型の小麦アレルギー対応型クレープの作り方を示した。この手法は,2021年9月に開催された学会の場で公開した。併せて,従来から科学イベントの場などで広く扱われている指示薬の学習が可能な新しい教材の開発を試みた。結果として,火気,熱源,刃物を用いなくても作ることが可能な小型のブラックゴジベリージュースの活用方法を示すことが可能であった。次に,高等学校の化学教育の現場で活用可能な野菜・果物の粉を用いた小型の溶媒抽出学習用ドレッシングの作り方などを示した。さらには,汎用的に活用可能なICT機器を用いて,指示薬の学習が可能な小型のジュース作りの実験,溶媒抽出の学習が可能な野菜・果物の粉を用いた小型のドレッシング作りの実験をオンデマンド動画化し,オンライン科学イベントの場で公開し,遠隔型の教育実践を試みた。そして,2021年11月,2022年3月に開催された学会の場で,これらの実践報告を試みた。2021年度の終盤には,本研究を推進する過程で開発した小麦アレルギー対応型食材を用いた小型の断層作りの手法を査読付論文誌に投稿した。その後は,ICTを活用した溶けないアイスクリーム作りに関する研究,小麦グルテンの抽出に関する研究,小型の豆腐作りに関する研究,酵素の学習が可能な小型のデザート作りに関する研究を推進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の段階では,過去の経験を基に申請者が開発した理科教育の教材を複数考案した。これらはいずれも、緊急事態宣言が出された際などに,遠隔指導用の教材として家庭内で活用可能だと考えられる。2022年度以降は,これらにICT教育の要素をより多く取り入れて行くことが今後の課題である。引き続き,小型の実験教材の開発とICT機器を活用した教育の手法を提唱して行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に続いて,2022年度,2023年度も遠隔指導に適した新しい教材の開発や,ICT教育との融合化を推進して行く予定である。低温調理器などの最先端の調理家電を用いた理科教育,エディブルフラワーを用いた理科教育,粉類を用いた小型の甘酒作りに伴う理科教育の方法を考えて行く予定である。向こう2年間に渡って,科学イベントの現場や,科学クラブの場などでの教育実践に伴う教育効果の調査を試みる予定である。そして,対面型の科学イベント等での成果とオンライン型の科学イベント等での成果の比較を行い,学会発表の場や学術論文などで積極的に研究成果を公開して行く予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ下で教育現場での実践が遂行できなかったため
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Research Products
(3 results)