2022 Fiscal Year Research-status Report
食材を用いたマイクロスケール実験における新 しい遠隔教育方法の開発
Project/Area Number |
21K02557
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
太田 尚孝 東京理科大学, 教養教育研究院神楽坂キャンパス教養部, 教授 (40223838)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 陽子 鎌倉女子大学, 教育学部, 講師 (80847806)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 理科教育 / ICT教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の序盤から中盤の段階では,家庭内で安全に実施することが可能な理科教育用の教材を複数提唱した。かねてから高等学校の化学教育の現場では「強力粉からのグルテンの抽出実験」が行われていたが,その際に多くの廃棄物が出ることが懸念事項であった。本研究によって,少量の強力粉からグルテンを抽出する際に,生麩団子,浮き粉団子,とろみあんを一緒に作ることで,強力粉の廃棄率をゼロにすることが可能になった。この手法は,2022年9月に開催された学会の場で公開した。 続いて,2022年10月に実施したオンライン科学イベントの場で,「色の異なる野菜の廃棄部位(メークイン,ノーザンルビー,シャドークイーン,カボチャ)から白色のデンプンを抽出する方法」を示した。ここでは,ICTを活用しながら,家庭の台所で実施可能な「環境に優しい実験」を多くの児童,生徒,保護者に公開した。この研究成果は,2022年11月に開催された学会の場で公開した。そして,食材を用いた研究を推進する過程で開発した「新しい小型の豆腐作り」に関する手法を査読付論文誌に投稿した。さらには,地域の科学イベントの場などで実施可能な合成着色料の漂白に関する共同研究を推進した。2022年度の終盤には,サイリウム(オオバコ),グラニュー糖,水から成る小型の「溶けないアイスキャンデー作り」の手法を示した。従来から親しまれている寒天,ゼラチン,葛を用いた溶けないアイスキャンデーを作る際には,加熱器具を用いる必要があったが,本研究では加熱器具を用いずに溶けないアイスキャンデーを作ることに成功した。この研究成果は,2023年3月に開催された学会の場で公開した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の段階では,学校教育の現場,科学イベントの場などで実施可能な小型の理科実験教材を複数考案した。これらはいずれも、緊急事態宣言が出された際などに,遠隔指導用の教材として家庭内で実施することが可能であるため,その一部をICTの活用が不可欠なオンライン科学イベントの場や,学会発表の場で公開した。一方,現在検討中の教材には「改良が必要な部分」がいくつかあり,それらの改善を行うことが今後の課題である。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度と同様に,エディブルフラワーなどの食材とICTを活用した小型の理科実験教材の開発を推進して行く。ここで考案した教材の活用方法については,学会発表の場などで公開する予定である。 併せて,本研究の終盤では,対面型の科学イベントでの研究成果とオンライン型の科学イベントでの研究成果の比較を行い,学術論文などで積極的に公開して行く予定である
|
Causes of Carryover |
端数が生じたが、購入すべき物品には金額が足りず。次年度購入することとした。
|
Research Products
(4 results)