2022 Fiscal Year Research-status Report
中等・高等教育において青年が親となるための教育をどのように構築するか
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21K02577
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
今川 真治 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (00211756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権田 あずさ 山陽学園短期大学, その他部局等, 講師 (40710851)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 親教育 / シラバス分析 / 親の愛情表出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的に照らし,今年度は昨年度に引き続き,国内の高等教育機関において実施されている「親教育」に繋がるジェンダー教育や子育て教育に関連する授業科目のシラバスを収集し,分類する作業を行った。このうち特に,教員養成課程を持つ大学や学部において,親教育に関連する授業科目がどの程度実施されているかについて分析を行った。その結果,それらに関連する授業科目は,初等教員養成課程に関連する科目と,中等教員養成における家庭科教員養成課程に多く含まれていることが明らかとなってきており,その他の教科における親教育に関連する科目は,例えば社会科教員養成課程に関連する授業科目等に散見されるのみであった。その他,例えば広島大学のような教員養成課程と併設された心理学・教育学の課程を持つ大学においては,教職に関連する科目の中に,ジェンダーや家庭・家族に関連する科目の中に,青年が親となることに関連する内容が含まれている場合があった。 上記に加え,研究代表者が本研究課題と関連させて実施している研究として,代表者が所属する大学の附属幼稚園の子どもの保護者を対象にした弁当製作に関する研究がある。この研究においては,幼児を育てている母親や父親が,子どもの生活の1つの基盤である昼食(弁当)を製作することをどのように捉えているか,弁当をはじめとする食を通して親の愛情を子どもに伝えているかを明らかにすることをテーマに据えており,本研究課題の一部を成している。本年度は,この研究で得られた成果の一部を2022年9月にアメリカ合衆国アトランタ市で開催された第24回国際家政学会(IFHE)大会で発表した。代表者は,この研究で得られた資料や知見を大学の授業科目に取り入れ,大学生が将来,婚姻や妊娠,出産,そして子どもを育てることにどのように向き合うかについて考察させるなど,青年の親教育に関する意識変化を追究している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度(2021年)に実施予定であった国際家政学会(IFHE)が1年遅れで今年(2022年)実施されたため,これに参加することが可能となり,研究成果の一部を発表することができたものの,全体としてコロナの影響は継続していたため,アメリカ合衆国内への調査渡航を行うことはできなかった。 さらに年度内の国内出張もまだ十分に行うことができなかったことで,他の大学の研究者たちとの情報交換も十分に行うことができなかったことなどから,研究成果の取りまとめなどにおいては遅れが生じているのが現状である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに収集した高等教育機関における親教育に関連したシラバスのメタ分析を行うことにより,高等教育機関が青年に対してどのような親教育を準備し,位置付けようとしているかについて取りまとめを行う予定である。 また,2023年8月に,マレーシアのクアラルンプールでアジア家政学会の開催が予定されているため,これまでに収集したデータの取りまとめを行って報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナの影響が残っていたことにより,他国における資料収集のための渡航が制限されたため,外国旅費を消費できなかったことが主な要因である。2021年に開催予定であったIFHEは2022年度に開催されたが,これに伴い,同2022年に開催が予定されていたアジア家政学会(ARAHE)は2023年に順延された。そのため,2023年度にマレーシアで開催予定のARAHEに参加することを予定している。
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