2023 Fiscal Year Research-status Report
リスク社会と教員養成の研究-With coronaのなかの問題解決思考の育成-
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21K02583
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Research Institution | Kaichi International University |
Principal Investigator |
坂井 俊樹 開智国際大学, 教育学部, 教授 (10186992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三石 初雄 東京学芸大学, 次世代教育研究グループ, 名誉教授 (10157547)
寺本 妙子 開智国際大学, 教育学部, 教授 (20422488)
鈴木 隆弘 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (40433685)
土屋 陽介 開智国際大学, 教育学部, 准教授 (40806494)
小瑶 史朗 弘前大学, 教育学部, 教授 (50574331)
金子 真理子 東京学芸大学, 次世代教育研究グループ, 教授 (70334464)
冨田 俊幸 開智国際大学, 教育学部, 教授 (70883370)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 教職課程改革 / 未来型教員養成教育 / 教科教育学融合 / 体験・協働・総合 / 生態転換教育(韓国) / リスクと教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の4つの対象の視点から研究を推進した。①従来から継続させてきた小中高の各学校での授業づくりからの課題抽出、教師としての資質の検証。②韓国学校調査、国内調査の実施③東京学芸大学などの事例を参照して、開智国際大未来創造型の教職課程の開発研究をすすめた。①については、2023年4月9日(日)メンバーの教師としてのライフストーリをを報告し合い、どのように優れた授業につなげるか、地域連携の課題、問題解決学習などの必要が議論された。同年7月27日・「探究」とは何か理論的な提案がなされ、問題解決、体験型、そして協働の3点が指摘された。個人がすぐれた探究活動するだけでは、従来の学習は変わらないとした。2024年2月18日、宮田浩行教諭より学大附属世田谷小学校の新しい教育課程(領域)研究(文科省・教育課程開発特例校)の議論。既存の教科、総合、特活(学級経営)などの枠組みを再考し、児童中心の興味・関心に基づく柔軟な教育課程、学年単位ではなく、学年を廃止した学習活動の展開、情報化を巡る様々な試みを検討した。教育課程を弾力化する側面は理解できたが、融合や各教科領域の壁をどうこえていくのかとの意見が出され、課題も明らかとなった。②10月3-5日、三石初雄氏と韓国環境教育による教育課程改善に取り組む学校を調査し。特にサンマウル高校は、ユニークな実践に取り組んでいた。総合学習に積極的に取り組んでいる。また国内調査として2024年1月25日(木)訪問調査は、不登校児童・生徒の受け入れ特例校として文科から認可された学校で、排除の視点から教育課程を考えられた。③この研究は、分担研究者の大学(東京学芸大・弘前大学・高千穂大学)から知見を得て、開智国際大学の実践上の研究に結び付け、2024年4月から学生募集を開始した「教職課程深化コース」という実践につなげている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【研究実績の概要】で書いたように進めたが、これからの社会に求められる「探究」学習をキーワードにして議論してきた。小・中・高校の教師たちからの実践的提案、それに筆者も分担研究者として参加している金子真理子(東京学芸大学)科研の理論的な成果(金子編『未来のカリキュラムをどう創るか』創風社、2024年)で一定程度整理できた。その上で、開智国際大学教育学部・初等「教職深化プロジェクト」の具体化として追究している。昨年度後半から現在まで最も力を入れているのは、このプロジェクトの実験的なチャレンジである。 教科の上位に、「子どもたちの課題」「国際理解」「環境」「理数」「カリキュラム開発」の5領域を学びをを位置づける。この視点で教科の再編、統合・融合を進めるが、この際の韓国などの事例との比較研究が不可欠といえる。本学の学生たちの資質を考慮した場合、単に現行教育課程の「コア・カリキュラム」のあり方とは違う方向で教員養成を考えざるを得ない現状がある。東京学芸大、弘前大学、高千穂大学、それぞれの大学としての個性特質があり、それを踏まえて教職課程の内容を考える必要もあろう。その際には韓国の教育現場の事例や日本国内の実践事例を参考にすることも必要である。教職深化プロジェクトを実体化しながら、比較研究、理論研究を並行して進めていく必要があり、この点が本年度の最大の課題といえる。今年度入学したコースの学生と議論しながら、未来社会を構築するための教師として資質は何か、検討していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
①開智国際大学の試案「教職深化プロジェクト」の実践を軌道に乗せる実験的プランを策定していく。本学の学生の特質をを生かし、学生と議論しながら進める。 ②①の教育課程改革を広い視野から考えるために、参考となる国内外の事例から比較研究を進める。とくに韓国の事例の継続的的探究や国内の先端事例を参照する計画である。韓国・インチョン市サンマウル高校のとくに教科学習の調査が進められればと思う。また国内でも、オルタナティブな教育推進校の調査を継続させる。 ③最終年度あり、「報告書」の作成を進める。現在分担研究者および研究協力者からの原稿収集の段階である。今年度9月には完成させたい。 ④夏休み期間中に、小・中・高・大学の教育実践に教材となる地域調査を研究協力者を中心に複数回実施する予定である。。 ⑤開智国際大学教育学部の複数の教員とともに、教師教師教育学会で報告(とりわけ教職深化コースを中心に)する計画である。 ⑥新しい視点での教材開発については、日本社会科教育学会で発表する。
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Causes of Carryover |
研究当初からコロナ感染症の影響で国内外の調査活動が中断していたが、本年度ようやく再開することが可能となった。また分担研究者、および小・中・高校教員らの研究協力者の実践の着手やその振り返りも、ようやくできる環境となり、動きが活発となった。さらにそれらの活動をまとめるために研究期間を一年間延長した。当該年度の後半から、メンバー各自の活動が通常に展開されることによって、ようやく報告のまとめ作業にかかわるわれた。 最終年度は、第一に、分担者、研究協力者執筆による『報告書』の完成を目指すことになった。合わせて、大学の教職課程、および小・中・高校の教育実践研究のために、共有できるフィールドでの調査活動(教材研究)を複数回進める予定である。フィールド調査の機会は、また今までの議論を深める機会としたい。予算的にも、報告書編集・製作費、国内外のフィールド調査研究費、関連図書の購入に充てたいと考える。とくに韓国の教育改革や環境教育の方向や実践事例の収集を中心にしたいと考える。、
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