2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a prevention program based on the elucidation of the social and environmental determinants that induce corporal punishment of school teachers.
Project/Area Number |
21K02584
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
清水 安夫 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (00306515)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 体罰 / 規定要因 / 学校環境 / 情動・感情 / ストレス / ワークライフバランス / ワークエンゲイジメント / 組織構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における課題は,学校場面における様々な「体罰」を行動として捉えることにより,行動科学的な測定指標をもとに数量化分析を実施することにより,現在まで「体罰研究」に見られたケーススタディによる質的な手法とは別の観点からの研究を進めることにある。また,現在までの「体罰」に関する先行研究が,加害者と被害者の関係や加害者の心理的な状態を中心に探究されて来た点を見直し,複数の体罰行動の要因を包括的に分析し,「体罰」を誘発する要因を測定するための測定指標を作成したうえで,各測定指標間の関係性の検証により規定要因の影響力を推定することを目的としている。その結果より得られる基礎的なデータより,効果的だと考えられるアプローチ方法を臨床心理学・精神医学的に策定し,①自己診断,②フィードバック,③介入プログラムの効果を検証する。 2021年度は,現在,日本国内で行われてきた「体罰(特に教師から生徒への体罰)」を研究テーマとした先行研究の資料を収集し,生徒・教師・保護者の各立場による認知的視点から構成された測定指標の内容の精査を実施し,「体罰」の発生を促す誘発要因の策定を行った。コロナ禍にあり,学校において教職に就いている者を対象とした半構造化面接ができなかったため,現在は仮説段階における測定指標の仮説因子及び仮説項目の作成が完了した段階に止まっている。2022年度には,具体的な教育臨床における体罰の誘発要因について策定を半構造化面接及び自由記述式調査により情報を収集し,測定尺度の作成及び仮説モデルの検証を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍において,学校現場に出向いて教職に就いている教師たちを対象とした半構造化面接が実施できなかった。先行研究における概念的な検討は完了しているが,実際に精度の高い測定指標を開発することが,本研究における規定要因と体罰行動との関係を実証するモデルを作成するためには必要である。そのため,学校現場の教師からの生のデータが必要となることから,コロナが落ち着いた後に,実際に対面式の半構造化面接が必要となる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度には,半構造化面接および自由記述式調査によりプールしたデータをもとに,現時点で作成されている仮説因子にもとづく測定指標の作成に取り組む。そのためには,500名~700名程度の中規模調査をインターネットサーベイにより実施し,測定指標の標準化を実施する。また,そのデータにもとづき,仮説モデルを作成し,「体罰行動」を誘発する規定要因の策定を行う。さらに,モデルの精度を検証するために,初回のサーベイに加えて,同一対象者に向けて2回目のサーベイを行い,交差遅れモデルにおけるコホート調査を行い,モデル内の各変数との関係性を明確に捉えるようにする。
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Causes of Carryover |
予備調査としての半構造化面接及び自由記述式の調査ができなかったため,中規模なインターネット調査ができなかったこと,また,国際学会及び国内学会にも参加できなかったことがある。2022年度も予定していた国際学会への参加をすでに見送っている(基礎的な調査もできなかったため)ため,国際学会への参加費・渡航費などは大幅に変更せざる負えない。また,2021年度は国内学会も中止,もしくはオンライン開催となってしまっていたために,国内旅費等も使用することが無かった。こちらは2022年度も同様に,参加を予定していた学会の年次大会がすでに開催中止となっているもの(例えば,日本ストレスマネジメント学会)もあり,今後,大会参加による大会参加費や出張旅費の変更が大幅に生じる可能性が高い。
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