2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Emotional Analysis and Developmental Support for At Risk Students
Project/Area Number |
21K02586
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
八並 光俊 東京理科大学, 教育支援機構, 教授 (70210284)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 情動 / 生徒指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、中学生を対象に、情動可視化アプリのFEELBOTを用いて、情動の経時的記録データから生徒の情動変化の特徴を析出することを目的とした。研究期間は、2022年9月から2023年3月の7か月間である。この間に入力された未入力を除いた50回分のデータを、分析対象としている。研究対象は、研究協力校であるA市の公立B中学校第2学年の生徒8名が対象である。対象生徒は、学習成績が低く、学習面や生活面で指導や支援が難しい生徒4名のR群(リスク群)と、学習成績が高く学習面や生活面で安定している生徒4名のS群(安定群)に分かれる。分析に際しては、FEELBOTの主観的幸福感を示す幸せ得点と記録時点の情動を示す心の顔に着目した。 第1に、幸せ得点の分析から、R群はおよそ5点以下で振幅が見られたが、S群では対照的におよそ6点以上で振幅が見られた。両者共に、その傾向が長期間持続することが分かった。第2に、心の顔分析結果から、R群では、01-愛情の選択がなく、全員02-幸福から10-憤怒に散らばりが見らた。それに対して、S群では、R群とは対照的にポジティブな心の顔で占められていた。第3に、幸せ得点と心の顔の関連性分析から、R群はネガティブな心の顔の選択率が高く、なおかつ、非常にに低い幸せ得点の選択に結びついていた。対照的に、S群はポジティブな心の顔の選択率が高く、なおかつ、非常に高い幸せ得点の選択に結びついていた。が持続する傾向性があることが明らかとなった。 研究期間内おいて、小学生と中学生という異なる発達段階の児童生徒を対象として、FEELBOTによる主観的幸福感や情動の経時的分析を行った。少数事例ではあるが、R群とS群という児童生徒特性によって、それらが顕著に異なることと、その傾向性が持続することが明らかとなった。
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