2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the Task-Selective Moral Lesson Method Based on Competency Maps
Project/Area Number |
21K02594
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
吉田 誠 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (60449957)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コンピテンシー / 道徳的資質・能力 / 自我発達段階 / 発達モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、道徳的なコンピテンシーと具体的な道徳的行動が発達的な視点から結びつけられていない課題を克服するコンピテンシー・マップを開発することで、道徳科の指導と評価を一体化させながら、子どもの実態や状況に応じて道徳科の授業を柔軟かつ探究的に展開できるようにすることを目的としている。 今年度は、昨年度までに明らかにした道徳的資質・能力の発達モデルを基に道徳科の教科書教材について、自我発達段階が異なる複数の観点から教材分析を行い、段階の違いに基づく子どもの予想される複数の反応とそれに対応するコンピテンシーの達成度と課題を教材分析図上に明示するコンピテンシー・マップとそれを用いた課題選択型授業方法を開発した。その上で、課題選択型授業を通して児童生徒が「ねらいの8類型」の理想主義と現実主義を統合した視点を習得することで最終的に児童生徒自身が教材から複数の課題を設定して自ら回答する課題探究型授業へと発展させる可能性を示すとともに、課題選択型授業の前段階として、教材分析と「道徳科ねらいの8類型」の視点に基づいて教師が作成した8つの学習課題に児童生徒が順番に取り組む課題循環型授業の提案を行った(吉田誠「内容理解と資質・能力発達の両立」、田沼茂紀編『道徳は本当に教えられるのか』東洋館出版社、2023年)。その後、中学生を対象に課題循環型道徳授業の実践を行い、生徒のワークシート記述について自我発達段階の視点に基づいて分析し、評価を行った(吉田誠・髙橋麻衣子「ねらいの8類型による課題循環型授業の実践と自我発達段階に基づく評価」、『山形大学教職・教育実践研究』第19号、2024年3月、9-20頁)。
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