2021 Fiscal Year Research-status Report
高校道徳における討議型授業の理論構築とオンライン学習の活用
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21K02595
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小川 哲哉 茨城大学, 教育学部, 教授 (80194439)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 討議型授業 / 高校道徳 / オンライン学習 / ICT教育 / 高大接続事業 / 教員養成系大学 / 対面授業 / 生命尊重 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アクティブ・ラーニング授業の代表的な一形態と言われている「討議型授業」の実践に、「オンライン学習」を組み合わせることで高校道徳の討議型授業の新たな可能性を模索し、効果的な道徳授業の指導法を開発することである。 令和3年度は、全国の公立高等学校におけるICT活用と高校道徳の実態調査と高大接続事業を進める教員養成系の大学への視察を行い、研究テーマに関する基礎的な情報収集・調査を実施した。さらに、オンライン授業の具体的な授業実践に関しては、現在A県の私立B中学校・高等学校とオンラインにて意見交換をしており、令和4年度に実際に行うオンライン授業実践のための意見交換を行っている。 先ず、調査・視察だが、令和3年11月12日にはC県立D中学校・高等学校を訪問し、ICT活用による授業方法に関する意見交換を行った。東日本大震災の影響を強く受けた地域なので、高校生たちの教育活動には地域の復興を意識した意欲的な活動が注目された。例えば、福島原発廃炉のプロセスに関する専門家、地域住民と高校生による座談会の開催・運営等の活動が特に興味深かった。高大接続事業の実態調査では、11月13日にC県私立E大学を訪問し、教員養成教育に関して意見交換を行った。さらに、令和4年1月7日~8日にはF県にある国立G大学の教育学部を訪問し、教員養成系大学におけるICT教育の実態を調査した。同大学ではオンライン授業等で先進的な試みを行いながらも、対面授業との比較において教育的効果がどこまで期待できるのかについて検討しているとの報告を得た。私立B中学校・高等学校における道徳教育実践は、同校の医学進学コースの協力を得て、将来医師を目指す中学生と高校生に対して、生命尊重をテーマにしたオンラインによる討議型授業を実践するための意見交換を現在行っている。道徳授業実践は令和4年の5月末頃を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は、本研究テーマに関する基礎的な情報収集と調査を実施し、次年度に具体的に行う予定の高校道徳のオンラインによる授業実践の基礎データを得ることを課題とした。高校現場の道徳授業実践の調査に関しては、公立と私立の中・高一貫校を各1校、計2校のデータを収集できたし、高大接続事業の実態調査では2校の大学(私立1校、国立1校)の視察を行うことができた。ただ令和3年度は、さらに関東地区や関西地区、山陰地区、九州・沖縄地区の実態調査を行う予定であったが、度重なるコロナ問題のため、現地に赴くことが十分にできなかった。それでも最低限度の視察や調査はできているので、進捗状況はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
先ずは、令和3年度に実施できなかった地区への視察・実地調査を引き続き行うことを第一課題にしたい。全国的な討議型の高校道徳の実態調査と、高大接続事業の現状を調査することで、教員養成教育における道徳教育の指導法の現状が明らかになると思われる。教育現場における具体的な討議型道徳授業実践に関しては、A県私立B中学校・高等学校における医学進学コースの授業分析を通して、その可能性を模索したい。
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Causes of Carryover |
コロナ問題のため、視察・調査・授業実践の分析等が十分にできなかったため、それらにかかる旅費や人件費等が十分に予算執行できなかった。令和4年度に改めて令和3年度に行えなかった分析を実施し、予算を執行したい。
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Research Products
(1 results)