2021 Fiscal Year Research-status Report
科学技術リテラシー育成を目指した中学校数学科を核とするSTEM領域のデザイン研究
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21K02599
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
伊藤 伸也 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (10570434)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 数学的活動 / 数学化 / 数学の活用 / RME / ハンス・フロイデンタール / 授業開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代社会で求められているのは、科学技術研究の現場を担う専門家だけではなく、科学技術の素養を持ちつつ、みずからと社会全体の豊かさを追求していける個人である。Society5.0を見据えると、科学技術リテラシーをすべての児童生徒に育むことは、学校教育の喫緊の課題である。本研究では、科学技術リテラシーを中学校数学科を核として育成することを目指し、科学技術リテラシー育成のための中学校数学科におけるSTEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)領域のカリキュラムや授業を、研究者と実践者が、理論的枠組みに基づき協働的にデザインし、参与観察し、記述、分析、探究、開発、提案することを目的としている。 令和3年度は、第1に、Society5.0の実現、SDGsの達成や社会課題の解決の要請を踏まえ、2020年代において中学生が身に付けてほしい「数理科学リテラシー」について調査、検討した。第2に、授業を協働的にデザインする理論的枠組みについて調査し、研究者と実践者とで検討を重ね、暫定的な理論的枠組みを設定した。第3に、暫定的な理論的枠組みに基づいて、薬や地震などを題材とする中学校数学科の授業を、研究者と実践者とでデザインし、実践、参与観察し、分析した。開発された中学校数学科の授業について、そのねらい、学習指導案、実際等その詳細を研究成果として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の理論的枠組みについては現時点では暫定的であるが、研究者と実践者による協働的な授業デザインと、その実践、分析に取り組むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度の取組を踏まえて、まずは、2020年代において中学生が身に付けてほしい「数理科学リテラシー」の定式化、授業を協働的にデザインする理論的枠組みの精緻化に取り組みたい。
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Causes of Carryover |
研究の理論的枠組みの精緻化を踏まえて、研究発表を次年度行うことにした。
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