2021 Fiscal Year Research-status Report
養護教諭とスクールソーシャルワーカーの専門職が協働した保健室経営の実証的研究
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21K02606
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
上原 美子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (10708473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 恵美子 畿央大学, 教育学部, 教授 (70623908)
関 美雪 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (40299847)
佐藤 玲子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (00255960)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 養護教諭 / スクールソーシャルワーカー / ヤングケアラー / 学校福祉 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的であるスクールソーシャルワーカーの配置状況及び活用方法について把握し、養護教諭と協働した保健室経営及び実践の可能性を可視化することに取り組んだ。 「令和元年度 スクールソーシャルワーカー活用事業 実践活動事例集(文部科学省)」に掲載されている47都道府県の事例報告から、「養護教諭」の文言が掲載されている事例を抽出した。抽出後、「問題種別」、「学校種」、「スクールソーシャルワーカーとの協働場面での養護教諭の対応」を検討した。「問題種別」は各都道府県の記載内容を採用し、養護教諭との協働した実践を取り出し、事例ごとに分析した。「問題種別」では「ヤングケアラー」が多く、その問題には「貧困対策」との関連も推察された。また、養護教諭は保健管理や保健室来室状況から児童生徒の情報を整理し、ケア会議に参画していることも示唆された。加えて、スクールソーシャルワーカーと連携、協働し児童生徒の学校生活の支援を行っていることが伺えた。なにより、子供たちの背景に様々な事情があることから子供本人に対する働きかけだけは問題の解決が難しいことも考えられる。そのため、子供とその家族を支援する方法を子どもの意向を尊重しながら進めることが必要である。こうした周囲への働きかけや必要な課題の解決には、学校内の力だけでなく、外部の人材資源の活用や関係諸機関との連携が重要である。つまり、児童生徒にとってよりよい解決策へ導くには専門職間の連携力にかかっていると言えるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「令和元年度 スクールソーシャルワーカー活用事業 実践活動事例集(文部科学省)」に掲載されている47都道府県の事例報告から、「養護教諭」の文言が掲載されている事例を抽出した。抽出後、「問題種別」、「学校種」、「スクールソーシャルワーカーとの協働場面での養護教諭の対応」が可視化できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、実証的研究を通して、児童生徒の情報の管理、その後の活用について、①情報を活用しやすい形に取りまとめる工夫や、②保護者や児童生徒のニーズに応じた支援を調整する方法を学ぶ機会(事例検討会)が必要であると考える。それらの成果から、児童生徒の様々な環境や背景を踏まえた支援が実践できる保健室経営案を作成し提案する予定である。
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Causes of Carryover |
スクールソーシャルワーカーを対象としたインタビュー調査又は研修会に参加し、その会場での量的調査を計画していたが、コロナ禍の状況から、「令和元年度 スクールソーシャルワーカー活用事業 実践活動事例集(文部科学省)」の文献検討とした。そのため、旅費、人件費・謝金を使用せず、次年度に使用額が生じた。
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Research Products
(12 results)