2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of evaluation tool for ESD and SDGs
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21K02610
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Research Institution | Kaichi International University |
Principal Investigator |
冨田 俊幸 開智国際大学, 教育学部, 教授 (70883370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 治 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (60184206)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ESD / SDGs / 評価ツール / 学習評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,学習効果がわかりにくい,統一的な評価方法が見当たらないといわれているESD並びにSDGsに関わる評価ツールの開発を目指している。現在,質的調査法と量的調査を合わせた混合調査法による評価法の開発を進めている。 新型コロナウイルス感染症の拡大により,1年目はESD並びにSDGsに関する先行研究や現状の調査を行い情報収集に努めた。2年目は,調査方法を検討してプロトタイプの調,法を作成し,1つの事例について調査分析を行った。3年目は,調査協力校の拡大に努め、義務教育学校の6年次1校、中学校4校,高等学校1校を対象に調査を実施した。これらの学校の教育活動は多岐にわたっており,多様なESD並びにSDGsに関わる教育活動を対象に評価ツールによる調査を実施して有効性を確認しているところである。調査対象校は,ユネスコスクールとして全校的にESDを推進している学校,生徒会や実行委員を中心にESDを推進している学校,独自科目の授業によってESD並びにSDGsに関わる理解を深めている学校,企業家教育に取り組む学校,郷土学習に取り組む学校などである。これらの調査対象校の中で早期に調査を実施した学校については,その調査分析が終了している。 調査分析が終わっている調査対象校の結果からは,量的調査法によって,思考力,協調性,行動力等の大まかな資質能力の向上が認められた。質的調査により,対話力や表現力等の具体的な資質能力の向上,社会との交流体験の有用性を確認することができた。一方で、現代社会に生きる児童生徒は地域や社会との結びつきの少なく,ESDはそれを補う重要な教育活動となっていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度から世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大により,本研究の調査対象としている小中高等学校は,正常な学校教育活動が実施できない状況にあった。そのため,本研究の調査を実施することができなかった。 このため,ESD並びにSDGs評価ツールの理論的な研究を進めることはできたが、実際に調査分析することができず、現在までの進捗状況としては遅れている。 一方で,学校教育活動の正常化により今年度は調査対象校において予定した調査を実施することができた。 来年度は,開発中の評価ツールに基づいて分析を行うことができるので,研究は順調に進む見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,義務教育学校1校,中学校3校、高等学校1校の5つの調査対象校に対して調査を実施することができた。調査対象校は,ユネスコスクールとして全校的にESDを推進している学校,生徒会や実行委員を中心にESDを推進している学校,独自科目の授業によってESD並びにSDGsに関わる理解を深めている学校,企業家教育に取り組む学校,郷土学習に取り組む学校などである。 今後は,調査した5つの学校における多様なESDの実践事例に対して,開発した評価ツールをもとに調査分析を進める予定である。調査方法は,質的調査法と量的調査を合わせた混合調査法による評価法である。複数の事例の調査結果に対して開発した調査ツールを活用して調査分析を進める。調査分析した結果をもとに,開発中の評価ツールを修正して開発を進める。量的調査法と質的調査法を組み合わせた混合研究法の有効性,事例による調査結果の違いなどに留意して研究開発を進める。また,調査分析の結果を調査対象校に開示して,調査分析の結果の妥当性についても検討する。 5つの学校の事例については,調査分析の結果に基づいて学会における発表や論文として学会や大学内の年報等に投稿して研究成果を公表する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大により当初予定していた研究調査ができなかったため次年度使用額が生じた。 海外渡航による研究調査並びに国内における学会発表の旅費として助成金を使用する予定である。
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