2021 Fiscal Year Research-status Report
The Development of "Multi-Cultural Issues Study" to Advance "the International Peace Culture Creativity" through the Japan-US Collaborative Action Research
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21K02618
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
小原 友行 福山大学, 人間文化学部, 教授 (80127927)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 「国際平和文化創造力」 / 「多文化間イシュー学習」 / 授業デザイン / デザイン思考 / NIE(教育に新聞を) |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度における研究実績としては、大きく次の5点をあげることができる。 第1に、「国際平和文化創造力」を育成するアクティブ・ラーニング型の新たな「多文化間イシュー学習」に関する理論仮説とそれ基づく授業開発のためのフレームワークを構築することができたことである。第2に、構築した理論仮説に基づいて、「国際平和文化創造力」を育成するための学習として有効と考えられる、3種類の「多文化間イシュー学習」(「希望創造型」「葛藤・ジレンマ型」「摩擦・対立型」)のうち、最初の「希望創造型学習」の授業計画として、単元「アンネ・フランクが残した言葉を追いかけて」を開発することができたことである。第3に、開発した授業計画を用いた研究授業を、2021年11月29日に広島大学附属三原中学校第1学年の生徒に対して、また2021年12月6日に広島大学附属三原小学校第6学年の児童に対して実施し、その結果の吟味に基づいて、歴史上の人物を時空を超えて取材し、その成果を「はがき新聞」の形式で表現するという、デザイン思考を取り入れたアクティブ・ラーニング型授業デザインの有効性を検討するとともに、授業計画の修正・改善を図ることができたことである。第4に、2021年度の研究成果をまとめ、2021年12月5日に立命館大学においてオンラインで開催された日本NIE学会第18回大会自由研究発表第3分科会において、「『国際平和文化創造力』を育成するNIE学習の構想~単元『アンネ・フランクが残した言葉を追いかけて』の開発を通して~」というテーマで発表を行い、理論仮説および授業デザインの吟味に基づく再修正を図ることができたことである。そして第5に、 研究発表の成果を同タイトルの論文にまとめ、福山大学大学教育センター『大学教育論叢』第8号に投稿し、掲載することができたことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度に予定していた研究の手順は、下記の5点であった。①インターネット等を用いて日米の協働チーム間で情報交換を行うとともに、「国際平和文化創造力」を育成する新たな「多文化間イシュー学習」の理論仮説と授業開発のためのフレームワークを構築する。②理論仮説と授業開発のためのフレームワークに基づいて、「多文化間イシュー学習」の一つと考えられる「希望創造型学習」の単元レベルの授業計画を日米協働で開発する。③開発した授業計画を用いた研究授業を日米両国において実施し,その結果の分析・評価に基づいて授業計画の修正・改善を図る。④日本において米国側の研究協力者あるいは研究授業協力校の関係者を招聘した授業開発のためのワークショップを、また米国において研究授業の分析・評価のための評価会議を開催し、理論仮説および授業計画の修正・改善を図る。⑤2021年度の研究成果を「広島大学グローバル・パートナーシップ・スクール・プロジェクト研究センター」のウェブサイトに掲載するとともに、全国社会科教育学会、日本NIE学会、日本教材学会等で発表する。 2021年度には、このような手順に基づいて研究を進めていった。しかし、コロナ禍の大きな影響により日米間での移動が全くできず、③の米国における研究授業の実施はできなかった。また、④の日本における米国側の研究協力者や研究授業協力校の関係者を招聘した教材開発のためのワークショップや、また米国での研究授業の分析・評価のための評価会議も開催することはできなかった。 以上のように、コロナ禍の影響が最も大きな要因ではあるが、日本NIE学会での研究発表と福山大学大学教育センター『大学教育論叢』第8号への論文掲載はかろうじて実現できたが、日米での協働開発研究としては、「やや遅れている」と判断せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究のリフレクションに基づきながら、今後の研究の推進方策として、2022年度には、特に下記の5点を重視しながら研究を加速させていきたい。 第1に、2021年度に実施した研究授業の分析・評価に基づいて、「多文化間イシュー学習」の理論仮説とそれ基づく授業デザインのためのフレームワークの修正・改善をさらに図っていきたい。第2に、2021年度に構築した「多文化間イシュー学習」の授業デザインの基本的な考え方に基づいて、新たに「葛藤・ジレンマ型学習」の授業計画を開発していきたい。具体的には、東日本大震災地域における復旧・復興・新しい街づくりの取り組みを事例とした、「東日本大震災地域における復興物語~浪江小学校・女川中学校・田老第一中学校の挑戦~」(仮題)の授業開発を考えている。第3に、開発した授業計画を用いた研究授業の実施を、日本および米国において実施し、その結果の分析・評価に基づいて「多文化間イシュー学習」の理論仮説や授業計画の有効性の吟味を行いたい。第4に、日本において米国側の研究協力者や研究授業協力校の関係者を招聘した授業開発のためのワークショップを、また米国において研究授業の分析・評価のための評価会議を開催し、理論仮説および授業計画の修正・改善を図りたい。最後に第5として、研究成果の公開と普及に関しては、全国社会科教育学会,日本NIE学会、日本教材学会等での発表および機関誌への投稿を考えていきたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の直接・間接的な影響で、2021年度には下記の3点を実施することができなかったため、次年度使用の必要が生じた。第1に、「多文化間イシュー学習」開発のための日本および米国における教材の調査・研究ができなかった。第2に、米国での研究授業の実施および研究授業の分析・評価を行う評価会議のための渡米ができなかった。第3に、米国側の研究協力者や研究授業協力校の関係者を招請して行う日本でのワークショップを実施することができなかった。 2022年度には、これら3点の実施のための助成金使用を計画している。
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Research Products
(3 results)