2021 Fiscal Year Research-status Report
情報モラル教育を推進できる若手教員育成プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
21K02619
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
作田 良三 松山大学, 経営学部, 教授 (10314717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 真功 関西学院大学, 教職教育研究センター, 教授 (00401795)
白松 賢 愛媛大学, 教育学研究科, 教授 (10299331)
尾川 満宏 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (30723366)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 情報モラル教育 / 教育課程 / 教員育成プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小・中学校における情報モラル教育を、教育課程と関連づけながら推進するための理論的基盤を明らかにし、その理論を活用し教育実践を展開できる若手教員の育成プログラムを開発することを目的に据えている。 2021年度は、大学院授業科目「教育課題解決のための教育プログラム開発演習」での授業開発を行い、児童生徒が遭遇しやすいSNSやオンラインゲーム上のトラブルに焦点をあて、児童生徒が送る日常生活の「リアリティ」に寄り添った教材開発を行っている。例えば、小学校用の授業教材では、Minecraftを題材にし、LINEグループ上でMinecraftを通じて知り合った同県内の小学生と直接会うというメッセージのやり取りを児童らに提示し、自分だったらどのように考えるか、どのような危険性があるかを、動画教材を通じて一人一人が考える内容となっている。 また、中学校用の授業教材では、中高生の間で流行している動画投稿・配信サイトTikTokを題材としている。教材では、実際に中高生が投稿すると想定される動画内容の一部を切り取り、動画の投稿内容や背景から、少しの情報でも身元が特定されてしまう危険性やリスクについて考える内容となっている。 加えて、小学生を対象とした「リスクマップ」プログラムを開発した。このプログラムは、どのような行為が心身の健康や社会生活上のリスク危険度として認知されているかを、学習後、グループワークで確認するものである。これについては2022年2月に、小学校4年生の2クラスで試行的な実践を行った。今年度、他に2つの学校で実践予定であったが、新型コロナ感染症の急拡大により中止となった。 このように今年度は、SNSやオンラインゲームという大きなカテゴリーにとどまらず、より子どもたちが実際に触れたり、身近に感じうる題材を取り上げたりしながら、実際の事例等を用いて指導していく授業開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では2018年度より愛媛県警察本部と連携して「情報モラル推進事業」を手掛けてきており、その連携のもとこれまでの実績をふまえ、大学院授業における授業開発を推進させることができた。しかしながら、コロナ禍による影響のため、対面による協議・検討を十分に実施することが難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、実践研究の成果分析と、事前事後意識調査の分析による、本教育プログラムの効果検証を行う一方、修了生へのフォローアップの実践を蓄積することによって、教材開発を推進していく。コロナ禍の状況をみながら協議・検討の方法(対面・オンライン)に配慮しながら進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響のため、学会や研究会に参加できなかったのが大きな理由である。 新型コロナウイルス感染症の感染状況にはよるが、学会への参加や研究会の開催、また情報モラル教室への県内移動等の旅費として使用する。 また、理論的検討を一層進めながら調査データを検証していくため、和洋文献の購入やデータ分析ツール等の購入を行う。
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