2021 Fiscal Year Research-status Report
新たな地域志向教育のための大学生の地元就職決定要因の定量的研究
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21K02634
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
津曲 隆 熊本県立大学, 共通教育センター, 教授 (90163881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津曲 達也 九州大学, インスティテューショナル・リサーチ室, 学術研究員 (50866621)
中里 陽子 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 講師 (60644820)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 地域志向教育 / 大学生 / 地元就職 |
Outline of Annual Research Achievements |
社会人としてのキャリアをスタートさせた学生の思考様式に関する仮説抽出のため、大学4年生及び社会人1年目、2年目の卒業生と3グループを対象にインタビュー調査を行った。各グループ5人ずつ、合計15名にインタビューした。調査者の選定は、県内・県外就職及び男女といった条件を考慮して協力依頼した。それぞれの協力者に対し1時間程度のインタビューを行った。トータルで12万文字程度のインタビュー記録を収集できた。この記録により、県内就職及び県外就職を決めた学生の思考様式についての定性分析が可能になる。詳しい分析作業は今後になるが、12万文字のインタビュー記録から社会人としてのキャリア選択について大学教育と家庭環境(両親の就職経験、兄弟との関係性等)を、簡易に比較した結果、後者の影響が大きいようであった。 また高校時代の進路選択について調べるため、大学入学1カ月以内の時期に大学1年生400名程度を対象にアンケート調査を実施した。その結果、文系学部では6割の学生が将来に対する意識を持たないまま進路選択を行っており、理系学部であっても4割近くの学生は同様に将来に向けたキャリア意識を持っていないことがわかった。また将来的にどういった地域で働くことを望むかという問いに対しては文系学部の1年生においては55%が県内か九州エリアを希望し、未定の学生は20%程度であった。理系学部については、県内か九州エリアが37%、未定が35%という結果であった。文系学生は理系学生に比べ地域志向が強い傾向にあることがわかった。さらに、大学の進路選択に与えた要因に関しては自由記述による調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
記載すべき事項、特になし。
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度に、本研究計画の中で予定していた「地元に就職した社会人」「就職先を決めた大学4年生」、「大学進学を考える高校生」に関する調査については、その多くを終えることが出来た。今後は、研究計画通り、大学生や卒業生のインタビュー調査結果から地元に就職する学生タイプとキャリア選択要因についての仮説抽出を行い、尺度開発へと研究を進める予定である。そして、大学4年生に対して質問紙調査を行い、学生タイプ及びキャリ選択規定要因を確定させる作業も進める予定である。仮説抽出に向けた調査データの分析作業、そして尺度開発は共同研究者と協力して進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大によって県外・国外出張が原則できなくなり、国際会議での発表もオンライン発表となったため旅費が不要になったことが最も大きな理由である。また予定よりも消耗品が安価に納品されたことも影響している。 2022年度予算は当初の計画通りに執行予定である。ただし、2022年4月から異動により共同研究者の所属大学が変わったため、研究遂行のための備品や消耗品の不足が見込まれる。円滑な分析作業を進めるため、次年度使用額(B-A)の多くはそれら不足分の購入に充当する計画にしている。
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Research Products
(4 results)