2021 Fiscal Year Research-status Report
教科科目型試験と能力評価型試験の構成概念的相互関係に関する実証的基礎研究
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21K02647
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
伊藤 圭 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 准教授 (60332144)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 大学入試 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の大学入学者選抜において思考力,判断力,表現力の評価が重視されるようになり,令和3年度から「大学入学共通テスト」が導入されるとともに,入試区分名称が変更された「学校推薦型選抜」および「総合型選抜」においても,その利点を維持しつつ受験者の学力を適切に評価するために,教科科目の学科試験とは異なる観点から大学での学びに必要な基礎的な学力や能力を評価する客観的な試験の活用が考慮されるようになった。 このような状況に鑑み,本研究ではあらためて教科科目型試験や能力評価型試験等の各種の客観式試験が測定している能力の構成概念を検証することとした。 今年度は5年計画の研究の初年度として,試験問題の開発と評価に関する先行研究,因子分析的統計手法,心理測定学における構成概念妥当性,試験の等化・対応付け等についての文献の調査,収集を行うとともに,研究代表者の所属機関においてこれまでに蓄積された学力試験および能力試験の調査データの洗い出しとそれらの分析のためのソフトウェアや計算機システム等の環境整備を行った。 また,先行研究として大学入試センター研究開発部で行われた言語運用力試験の問題内容と受験者の思考の関係性の入試区分別の分析について,より精緻な分析方法の検討を行うとともに,令和4年度大学入学共通テストの主要教科科目について,大学生を対象としたモニター調査の解答データから教科科目間の相関関係の分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに行われた大学入試センター試験等をはじめとする教科科目型試験や,教科科目フリー型総合試験,言語運用力試験等の能力評価型試験の研究で収集された調査データについて,当初計画に含まれていた調査対象者の属性や調査項目等のデータ仕様の整理および分析用のデータファイルの作成が未了となった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画からやや遅れているが,研究遂行を著しく困難にする課題があらたに生じたものではないため,全体的な研究計画は変更せずに実施する。今年度完了できなかった既存の調査データの仕様の整理および分析用データファイルの作成については継続実施する。また,言語運用力試験の問題内容と受検者の思考の関係性の入試区分別の分析に関しては分析方法についての今年度の検討結果に基づき実際の分析を行う。
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Causes of Carryover |
関連学会等の開催形式がオンラインとなっため調査研究旅費の支出が無かった。生じた未使用額については,次年度に文献購入や統計ソフトウェアの追加オプション等の整備に充当する。
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