2023 Fiscal Year Research-status Report
在学生の大学満足度向上の規定要因解明と大学満足度向上プログラムの開発
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21K02661
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
喜村 仁詞 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (30749429)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大学満足度向上 / 愛校心 / 自校教育 / チームビルディング |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍の影響により、実施が遅れていた「短期間で愛校心の向上を図ることができるプログラム」の現地調査を令和5年度に実施し、以下の通り共通する要素を発見した。 令和4年度に文献調査で抽出した各大学の取り組みから、自校クイズ、学内歩き、自校に関わる内容等の講義科目の取り組みについての3大学への現地調査を行った。これら事例で実施されたプログラムで共通する内容が、①人間関係の構築 ②自校に関する内容の2点である。 人間関係の構築については、全ての事例において、これまでプログラムを実施していく中で経験的に得た知見であることが語られており、人間関係が構築される(居場所づくりが促進される)ことにより、自校に関する肯定的な情報を入手する態度が促進されると考えられている。すなわち、自校の中での自身の居場所づくりが人間関係の構築プログラムにより促進される。すると、学生たちは、自身の居場所をより良いもの(自身がいるべき場所)にするために、自校が自分にとって「誇らしい場所」または「居ることが恥ずかしくない場所」になるよう、自校の肯定的な要素を自ら積極的に取得するのであろう。 また、自校に関する内容については、様々なテーマで実施されているが、人間関係の構築を活かしたグループワークなど複数人での協働が中心となっているのであり、人間関係構築のための専用プログラムの実施を契機に、人間関係をより深める取り組みがプログラムの随所に組み込まれている様子が明らかになったのである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響のために、令和4年度に実施予定であった現地調査を令和5年度に実施することができた。そのため当初計画から概ね半年から1年間程度の遅れが生じている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度の研究成果により、①人間関係の構築、②自校に関する内容の2点が短期間で愛校心を向上させるプログラムの構成要素には必要であることが明らかになった。そこで、令和6年度はこれら2点を組み込んだプログラムの開発・試行・効果検証を実施する。 なお、人間関係の構築プログラム部分については大学生のチームビルディング・プログラムに実績を持つラーニングバリュー社と共同でプログラムを実施、その効果を測定・評価する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により計画が約1年間程度遅れており、当初計画では令和5年に実施する予定であったプログラムの試行を令和6年に実施する。プログラム試行のための参加学生への謝礼、ラーニングバリュー社のプログラム実施費用等の支出を予定している。
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