2021 Fiscal Year Research-status Report
初期キャリアのリーダーシップ発揮に繋がるオンライン下の効果的な大学での学びの研究
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21K02669
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
武田 佳子 桐蔭横浜大学, 教育研究開発機構, 教授 (50880259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 慎一 桐蔭横浜大学, 教育研究開発機構, 教授 (00283656)
丸山 智子 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (40828034)
森 朋子 桐蔭横浜大学, 教育研究開発機構, 教授 (50397767)
溝口 侑 桐蔭横浜大学, 教育研究開発機構, 講師 (40909165)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リーダーシップ自己効力感 / トランジション / オンライン学習 / 組織社会化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大学教育現場の課題を踏まえ,初期キャリアの組織社会化やリーダーシップ発揮に有効な大学のオンライン環境下での学びとは何かを検討する。具体的には, 大学4年生(2021年度)を対象に入社2年目までの卒業生に対して縦断調査を行い, 大学までの学習環境・姿勢から初期キャリアにおけるリーダーシップ, 組織社会化への影響を検討する.大社接続のトランジションを円滑に進めるために大学でのオンライン環境の学習改善につながる教育的示唆を提言する.具体的には、①大学次のオンライン授業で効果的なリーダーシップ育成とは何か, ②初期キャリアの組織社会化・リーダーシップ発揮に影響を与える大学での学習方略・学習姿勢とはなにかを検討することを本研究の目的とする. 本研究では, 大学4年生(2021年度)を対象に入社2年目まで縦断調査を行うが, 大学次の学習姿勢が組織社会化やリーダーシップの発揮にどのように影響しているのか大社接続のトランジション研究を行う.オンライン学習が就職後のリーダーシップの発揮, 組織社会化にどのような影響があるかを明らかにすることが目的である。 2021年度においては、国内外の先行研究や企業のリサーチをもとに、オンライン上でグループワークを行う際のリーダーシップにおける課題を抽出した。海外の企業で先行して行われているバーチャルチームの定義を明確にし、本研究が対象とするバーチャルチームの範囲を明確にした。国内の他企業とのオンラインでのミーティングを行う際の また、リアルとオンラインでリーダーシップに求められるスキルに差があるのかどうかの仮説を立て予定していた、大学4年生対象(内定者)の調査項目の開発を行い、2022年3月末にインターネットによるアンケート調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第1ステップ:学生を対象に対面授業と比較してオンライン授業で必要だと思ったことは何かなどのヒアリングを行い,オンライン上でグループワークを行う際の課題を抽出する予定であったが、予定した大学でオンライン上でグループワークを実施している講義が少なくインタビューが実施できなかった。そのため先行研究を基に仮説を立てた。第2ステップ:企業担当者へのインタビューについては、2022年度実施することにした。第3ステップ:大学4年生対象の調査項目の開発・実施を行う予定であった。こちらは、調査項目の開発を行い、2021年度3月にインターネットリサーチ会社を利用して調査を実施した。縦断調査を行うことから、4年制大学(内定者)の全国の学生を対象にに調査を実施した。約1600名程度のデータを取得した。双方向のオンライン授業の経験の有無、対面とオンラインでのリーダーシップ自己効力感、大学在学時の学習状況などの項目で調査した。インターネット調査会社では、もともと大学生の登録が少なく、2500程度取得したかったが、1600程度に収まった。オンライン学習者のほうが、オンライン未学習者よりもオンラインのリーダーシップ自己効力感が有意に高く、また、対面とオンラインでは対面のリーダーシップ自己効力感の方が有意に高いことも確認された。以上から、初回の調査(大学時)としては、概ね仮説通りの結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
【2022年度】:第4ステップでは,入社1年目の学生への縦断調査を2021年度の回答学生を対象に, 10月頃に質問紙調査を継続して行う. 入社1年目の調査項目は,インタビュー調査を参考にした入社前後の研修・リアリティ・ショックの状況などに加え, 組織社会化, リーダーシップ自己効力感尺度等を調査項目とする. 先行研究では、入社1年目のリーダーシップ自己効力感は組織社会化の影響を受けることが確認されている。入社前後の研修や職場環境などが組織社会化に影響を与えることが予測されるが、それを統制してもどのような大学時の学習や経験が入社後のリーダーシップ自己効力感に影響を与えるかを検討していく。初年度の調査結果で、学会発表と論文を作成予定である。
【2023年度】: 第4ステップ:入社2年目は同様の対象者に, 入社前後の項目を外した項目で質問紙調査を行う。加えて,入社2年目の学生への定性調査(武田・森)を行う。 入社2年目の学生6名程度に, 初期キャリアの組織社会化・リーダーシップの発揮につながった在学次の学びは何かについてインタビュー調査を行う. 本調査は, 研究分担者森が専門のノウハウがあることからその手法を踏襲する。以上3年間の縦断調査を行う。
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Causes of Carryover |
2021年度末から2022年度に調査を行ったため、2021年度分の残金を2022年度に繰り入れた。
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