2022 Fiscal Year Research-status Report
運動障害児童の書字障害に対する新規治療ストラテジーの構築
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21K02680
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大戸 達之 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60344892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎園 崇 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (30644314)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 痙性麻痺 / 書字障がい / 視覚認知障がい / 手指巧緻機能障がい |
Outline of Annual Research Achievements |
脳性麻痺児の書字障害は、知的能力障がい、手指巧緻機能障がい、視覚認知機能障がいなど複雑な要因が重なっている。特に痙直型両麻痺は現在脳性麻痺で最も 多いタイプで、知的能力障害、手指巧緻機能障害、視覚認知機能障害などから書字障害を呈することが知られているが、書字障害が何による機能障害かは整理さ れていない。本研究では多角的に検査を行い、書字障害が手指巧緻機能障がいに起因するのが、視覚障害の影響が強いかなど、関係性を明らかにし、効率的な治 療ストラテジー開発に有効であるかと検討することを目的としている。 対象の選択基準は以下を満たした者。・年齢:6~18歳(小学1年~高校3年)・脳性麻痺の定義を満たす(厚労省、1968年)・麻痺のタイプは痙直型両麻痺・知的発達症や発達障害合併、その他循環器系の合併症などの有無は問わない。・日本小児神経学会認定専門医2名(研究代表者と研究分担者)の合意に基づくものとするとし、現在まで10名が参加を表明している。これらの対象者の、臨床経過、頭部MRI画像、脳波データを収集し、臨床像を明らかにしている。現在、専門テスト機器の購入が終了しており、知能検査(WISC-V)、視覚認知検査(AM(Draw A Man)テスト・DTVP フロスティグ視知覚発達検査・VMI 視覚-運動 統合発達検査 ・ TVPS-3rd 視知覚スキル検査3)、磁気センサーによる定量的手指巧緻運動検査機器(UB-2)検査、読み書きスクリーニング検査が順次行われていく。またマクセル社の微細運動デジタル記録ソフト(Just Touch, Just Touch TMT)による解析を行うことになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者の体調不良(入院・通院加療)があったことや、知能検査のバージョン変更に検査者の対応が難しかったことが挙げられる。現在は研究体制を立て直しており、研究は継続されている。
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Strategy for Future Research Activity |
対象となる小児の長期休暇期間(夏休み・冬休みなど)を利用して、各種検査を施行していく。22年度より導入された新規ソフトによる記録も行っていく。
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Causes of Carryover |
前述した研究代表者の体調不良(入院・通院加療)があり、研究は継続していたが、対象者の新規リクルートはなく、消耗品などの支出がなかった。
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