2023 Fiscal Year Annual Research Report
運動障害児童の書字障害に対する新規治療ストラテジーの構築
Project/Area Number |
21K02680
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大戸 達之 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60344892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎園 崇 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30644314)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 書字障害 / 手指巧緻機能 / 視覚認知機能 / 知的発達症 / 脳性麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳性麻痺児の書字障害は、知的能力障がい、手指巧緻機能障がい、視覚認知機能障がいなど複雑な要因が重なっている。特に痙直型両麻痺は現在脳性麻痺で最も多いタイプで、知的能力障害、手指巧緻機能障害、視覚認知機能障害などから書字障害を呈することが知られているが、書字障害が何による機能障害かは整理されていない。本研究では多角的に検査を行い、書字障害が手指巧緻機能障がいに起因するのが、視覚障害の影響が強いかなど、関係性を明らかにし、効率的な治療ストラテジー開発に有効であるかを検討することを目的としている。 対象となったのは、新生児期の脳室周囲白質軟化症から痙直型両麻痺を呈した脳性麻痺児4名(年齢9から17歳、男:女=4:0、在胎週数26から29週)で、全例で微細運動機能・協調運動機能を含む神経学的診察、ウェクスラー知能検査を行い、加えて指タッピング機能解析、視知覚機能検査(WAVES)、読み書きスクリーニング検査(STRAW-R)が行われた。 診察では手指の微細運動機能・協調運動障害が認められ、ウェクスラー知能検査では軽度知的障害から境界域知能(FSIQ 74)であった。STRAW-Rではいずれも読みの流暢性の障害や書字の正確性に問題があった。WAVESでは視知覚(VPI)と目と手の協応全般指数の低下が認められるが、目と手の協応正確指数がよい児もおり、時間をかけて書字と行うことにより書字が改善する傾向が見られた。今回の検討では症例数が限られていたが、検査バッテリーを組むことにより症例毎の特性を把握出来ることが分かり、作業療法・ビジュアルトレーニング・書字作業時の支援など、特性に応じた支援体制・より効率的な治療を構築することが可能になると考えられた。
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