2021 Fiscal Year Research-status Report
英語で顕著になる大学生の読み書き障害のスクリーニング方法の検討
Project/Area Number |
21K02691
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
諏訪 絵里子 目白大学, 心理学部, 専任講師 (40707692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 知音 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20291388)
森 千夏 大阪大学, キャンパスライフ健康支援・相談センター, 特任研究員(常勤) (30850317)
楠 敬太 大阪大学, キャンパスライフ健康支援・相談センター, 特任研究員(常勤) (70770296)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 読み書き障害 / 大学生 / 英語学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨今,大学生の英語力低下が深刻な問題になっているが,この中には大学入学後まで見過ごされてきた発達性読み書き障害のある学生が含まれる可能性があると言われている。読み書き障害は脳の器質的な障害であるが,日本語では症状が顕在化しにくく,本人も周囲も気づかないまま成長することが少なくない。そこで,本研究では日本語では目立たないものの英語で顕著になる読み書き障害のスクリーニング方法を検討することを目的とする。
2021年度は、予備調査として日本における英語学習に関する先行研究をレビューし、日本人が英語学習において躓きやすい側面を抽出したうえで、一般大学生10名にこれまで英語学習においてどのような困難を持ったことがあるのか聞き取り調査を行った。リスニングとスピーキングに特に困難を感じている者がほとんどであったが、そのことと英語の読み書きの困難さのつながりを感じている学生は見られなかった。一方、読み書きの困難さについては、ボキャブラリー不足やスペルの不正確さが要因であると考える者も多かったが、英単語を正確に覚えていれば読み書きが容易なわけではないとも語られた。これらの結果を受けて、英語学習の困難さを、①読解、②書くこと、③聞き取り、④スピーキングのスキルごとに評価し、語彙、文法や構文の知識、スペル、発音、英語特有表現の理解がそれらのスキルにどれくらい影響していると考えるか、英語学習における困難さアンケートを作成した。更に、中学生の英語学力を測るための全国試験を参考に、英語基礎力テストを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
感染症が収束に向かわず、大学構内に被験者を招集することや、学生を対象に対面で検査・調査を実施することに大きな制限があった。そのため、予定していた対面での調査が実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
一般大学生60名を対象に、①英語学習の困難さアンケート、②英語基礎力テスト、③DAST(英語での読み書き障害のスクリーニング)、④RaWF(日本語での読み書き障害のスクリーニング)を実施する。まず、英語学習の困難さアンケートより、一般大学生の感じている英語スキル獲得の困難さが、英語のどのような側面から来ているのかを検討し、アルファベットの読み書きの力がどのくらい影響しているのかを探る。また、英語基礎力の影響を除いたとき、英語でのスクリーニングと日本語でのスクリーニングの結果に相関があるのかを検討し、英語圏での読み書き障害のスクリーニング検査が、日本人に使用することが妥当であるのか検証する。
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Causes of Carryover |
感染症の蔓延により学生に対する対面での調査が困難であったため、調査交通費や謝金を使用しなかった。また、オンラインによる予備調査と文献調査を中心に行ったため、検査に利用する機材の取り寄せ、購入にも至っていない。翌年度は研究計画の微修正に応じた機材や検査用具を購入するとともに、調査実施の経費(調査実施場所への検査者の交通費と被験者への謝金)として主に助成金を使用する。
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