2022 Fiscal Year Research-status Report
幼児期における異常構音迅速検出システムの探索 -機械学習による音と運動の分析-
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21K02694
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
山崎 志穂 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (50847879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永見 慎輔 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (60744042)
塩見 将志 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (60711215)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 機能性構音障害 / 小児構音障害 / 異常構音 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児構音障害でみられる構音(発音)の誤りは、いずれも言語発達途上に誤学習された構音習慣によって生じるとされている。乳幼児健康診査等でも発音の未熟さを指摘されることが多く、スクリーニングから専門機関受診までに長期間を要す場合には適期のフォローアップが実現せず、構音発達以外にも影響することで、さらなる不適応へと発展していくことも危惧されている。 機能性構音障害については、これまでに語音弁別能力、構音器官の運動、音韻意識などさまざまな要因が関連している可能性があることが事例等を通して報告されているが、構音発達については構音発達と言語発達にみられる乖離、発声発語器官の発達順序に関する因果関係は解明できておらず、支援の基準は不明確である。また幼い子どもの場合には、発話が不明瞭であったり、誤り方がまちまちであることも多く、複数の誤り音から一定のパターンや傾向を掴むためには評価者の習熟度が求められるため、訓練適応となる基準、適切な支援の基準を明らかにすることも必要である。 そのため、本研究では構音発達途上で改善されていく音と誤りが固定化する音に発達上のどのような因子が影響するのかを明らかにすることを目的としている。 COVID-19の影響を受け、対面で実施することが困難であった幼児の発話データの収集を2022年度は実施することができたため、前向きデータ収集を行うための予備調査も含め、データ収集、関連する因子について分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度に予定していた計画がCOVID-19の影響で十分に進めることができなかったため、進捗状況はやや遅れたままである。研究計画を一部変更し、データ収集、分析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は2022年に引き続き前向きデータの収集およびデータの分析、関連学会等での研究成果の発表を行えるよう準備を進めていく予定である。さらに、2022年度から実施を予定していた異常構音の観察についても追加の声帯信号データの収集を行いながら、検討を進めていき、幼児構音障害を発症する際の音と運動の関連を明らかにし、誤学習のメカニズムならびに未熟な構音や異常な構音が固定化するパターンを同定していく。
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Causes of Carryover |
2022年度に購入を予定していた非侵襲型声門図計測装置の購入を先送りしたため、次年度使用額が生じている。2023年度はデータべースから逸脱した構音データを分析を予定しており、非侵襲型声門図計測装置を用いた声帯の異常運動の観察を検討を進めるための設備備品費として使用する。
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