2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a screening system for reading that connects to personalized learning for early childhood.
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21K02695
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Research Institution | Osaka Chiyoda Junior College |
Principal Investigator |
宮本 直美 大阪千代田短期大学, 幼児教育科, 准教授 (90831529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今枝 史雄 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (70824118)
澤 ひとみ 関西女子短期大学, その他部局等, 准教授 (80831528)
大内田 裕 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (80510578)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 幼児 / 読み / 個別最適化 / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、幼児に対する「読み」の簡易スクリーニングキットを作成し、その有効性の検証を行い、これらの結果を基に、教育委員会と連携して、幼稚園等、小学校における「読み」に困難な子どもを早期発見・早期支援し、個別最適な学びにつなげるためのスクリーニングシステムの構築を目的とする研究である。 幼児の文字や読みに関する活動と先行研究から得られた知見から、ひらがなの習得課題と読みにかかわるとされる認知機能に基づいた課題を試作した。具体的には、ひらがな清濁音71文字と特殊音節(拗音、長音、促音、拗長音)からなる、ひらがな習得課題、単語をモーラに分解する音韻分解などの音韻意識課題、空間関係や図と素地などの視知覚認知課題、数字や絵の呼称を求める自動化課題の4課題である。 調査協力園(1園)の年長児クラスに在籍する幼児23名に対して、6月と3月に試作した課題を実施した。10ヶ月間の成績変化を調べるため、各課題の前後比較を対応のあるt検定、または反復測定分散分析を行ったところ、全ての課題において有意な成績向上を認めた。試作した4課題は年長児のひらがなの読みの習得度と読みにかかわる認知機能のある側面の発達を一定程度測定していると考えられた。分析結果については、日本LD学会第31回大会にて学会発表を行った。 2022年度は各課題間の相関等についてさらなる分析を行うため,対象者を増やす必要があったことから,調査協力園(2園)の年長児クラスに在籍する幼児43名に対して、6月と3月に課題を実施した。本データについては、現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により、年長児に対する調査が1年遅れてはいるが、「読み」にかかわる認知機能に基づく課題を試作することができた。また、少人数ではあるものの、2022年度は調査協力園2園(私立園)の年長児に対して、試作課題を実施することができた。現在、データの分析を進めているところである。さらに、2023年度は調査協力園3園(公立園と私立園)の年長児に対して、試作課題の実施を予定しており、データの収集は進みつつある。 幼児に対する「読み」の課題の作成、及びデータの取集が一定程度進んでいることから、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
年長児に対する調査を引き続き行いデータ収集を積み重ねるとともに、調査対象幼児の小学1年生の読みの習得にかかわるデータも収集することで、年長児から小学1年生にかけての縦断的な研究になるようにしていく。また、試作課題の中には時間を要するものが含まれていることから、幼児の負担軽減の観点から、課題実施時間が適切な時間となるよう,課題の修正や改定をする必要がある。
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Causes of Carryover |
学会がWEB配信になり、旅費が発生しなかった。また、研究者及び研究協力者の会議がWEB上で行われたため、会場費が発生せず、人件費も抑制されたため。
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Research Products
(1 results)