2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a screening system for reading that connects to personalized learning for early childhood.
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21K02695
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Research Institution | Osaka Chiyoda Junior College |
Principal Investigator |
宮本 直美 大阪千代田短期大学, 幼児教育科, 准教授 (90831529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今枝 史雄 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (70824118)
澤 ひとみ 関西女子短期大学, その他部局等, 准教授 (80831528)
大内田 裕 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (80510578)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 幼児 / 読み / 個別最適化 / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
幼児の文字や読みに関する活動と先行研究から得られた知見から、ひらがな習得課題(清音、濁音半濁音、特殊音節の読字)とひらがな読みに関わるとされる認知機能の課題として、音韻意識課題、視覚認知課題、自動化課題を試作し、年長児を対象にして調査を実施した。 幼児期のひらがな清音と濁音半濁音、及び特殊音節の読字と読みに関わる認知機能との関連について明らかにするため、年長児66名を対象にして進級直後の6月と就学直前の3月に調査を実施した。 年長時期の10か月間の変容について明らかにするため、認知機能課題を独立変数、習得度課題(清音、濁音半濁音、特殊音節の読字数)を従属変数とし、ステップワイズ法による重回帰分析を行った結果、年長児のひらがな清音と濁音半濁音、及び特殊音節の読字には、自動化と単語逆唱の影響があることが明らかになった。また、清音の読字には、音韻の操作も影響すること、濁音半濁音では視覚認知も影響することが明らかになった。濁音半濁音には濁点「〝」や半濁点「゜」があるため、それらを識別する必要があることから、図形の同異を識別する視覚認知が関連すると考えられる。就学前後に音韻意識、視覚認知、自動化の向上を促進することは、文字学習の一助となる可能性があることが示唆された。 なお、分析結果については、日本発達心理学会第35回大会にて学会発表を行った。 幼児期のひらがな清濁音及び特殊音節の読字と読みに関わる認知機能との関連について、その変容についてもさらに明らかにするため、現在、ひらがな清濁音及び特殊音節の読字数の変化量と読みに関わる認知機能課題の変化量との関連についても、分析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小学校1年生に対する調査が1年遅れてはいるが、年長児を対象としたデータの収集は進んでいる。また、試作課題を用いた調査の分析結果から、幼児の負担の少ない課題に改訂することができた。 幼児に対するデータの収集と分析は一定程度進み、小学校1年生のデータの収集についても見通しが立っていることから、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をもとにして課題の精選を行い、幼児の負担がより少ない課題に改訂した。今後は改訂した課題を使用し、年長から小学校1年生までの継続調査を行い、課題の有効性について検証していくことが必要である。
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Causes of Carryover |
学会がWEB配信になり、旅費が発生しなかった。また、研究者及び研究協力者の会議がWEB上で行われたため、会場費が発生せず、人件費も抑制されたため。
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Research Products
(1 results)