2023 Fiscal Year Research-status Report
感覚異常の特性を有する発達障害傾向のある幼児に対する支援プログラムの開発
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21K02698
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
水野 智美 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90330696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 克己 アール医療専門職大学, 作業療法学科, 教授 (30197868)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 発達障害傾向 / 感覚異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
発達障害傾向のある子どもを担当している保育者に対して、個別のヒアリング調査を行うとともに、子どもの特性を観察した。さらに、その子どもの保護者からもヒアリング調査を行った。具体的には、保育活動の中で子どもが困っていること、活動にうまく参加できないこと、子どもの特性について、保育者や保護者からのヒアリング調査をした上で、子どもの様子を観察し、子どもの困り感の中に、感覚異常の特性がどのように影響しているのかを探索した。 その上で、当該児を担当する保育者および保護者に子どもの感覚異常による不快感を軽減させるための方法を提案し、保育場面あるいは家庭において実践してもらった。それぞれが1か月程度、実践した後に、子どもの困り感がどのように変化したのかを保育者、保護者からヒアリングするとともに、子どもの様子を観察することで明らかにした。 これまで対象とした子どもの例としては、製作活動の際に糊を手でのばす作業が含まれた活動に参加しようとしなかった子どもに、保育の場では糊を触ったらすぐに手を拭けるように濡れたタオルを子どもの近くに用意する、手で伸ばす糊ではなく、スティックタイプを使用する、テープを使用する等の別の方法に置き換えるなどの対応をすることで、少しずつ活動に参加できるようになったことが確認できている。その他にも、給食時に使用している食器を変更した(アルミのスプーンから木製のスプーン、個別のパック牛乳から直接飲むのではなく、コップに移し替えて飲む)ことで、これまで食べようとしなかった食事を少しずつ摂れるようになった子どもが確認できている。 上記の結果を基に、保育者および保護者に対する研修会の内容を検討し、それぞれに実施をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、発達障害を起因とした感覚異常のある子どもをもつ保護者を対象とした心理教育プログラムおよび上記の子どもを担当する保育者用の支援プログラムを作成することを目的としている。コロナ禍において、保護者、保育者の調査協力を得ることがむずかしく、それぞれのプログラムを作成するための基礎資料となる調査結果の収集に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎資料は概ね集まり、プログラムを作成することができた。また、プログラムを実施し効果を測定する際の協力者を現在、募っており、ある程度の協力者を得られている。さらなる協力者を開拓し、プログラムを実施し、効果測定を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
ヒアリング調査を対面で実施することを想定して、旅費を計上していたが、オンラインによる実施を行ったことで、旅費の使用が当初より少なかった。また、調査が遅れており、必要な調査を行えなかった。
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