2021 Fiscal Year Research-status Report
発達障害及び知的障害に対するストレングス・アプローチの支援プログラムの開発
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21K02705
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
佐藤 克敏 京都教育大学, 教育学部, 教授 (20310360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 俊一 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 准教授 (60310827)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ストレングス / 長所 / 定義 / アセスメント |
Outline of Annual Research Achievements |
特別支援教育及び心理・教育的アプローチの観点から、発達障害及び知的障害のある子ども及び成人に対する「ストレングス・アプローチ」に関する文献を収集し、定義や基準、方法論などの概念的枠組みについて文献調査を行った。 文献は、日本語文献はCiNii Research及びJ-stageを用いて収集した。英文文献については、EBSCO hostを用いて、文献を検索・収集した。また参考として関連する書籍も資料として収集した。 先行研究を分析・整理した結果、「ストレングス・アプローチ」精神障害者のソーシャルワークの領域から出発した背景があり、教育の領域よりも福祉の領域に関係する論文が多かった。また、精神障害や虐待、貧困などとの関連で取り上げられている論文も認められた。加えて、関連するキーワードとして、ソーシャルワーク、パーソンセンタードプランニング(本人中心の支援計画)、レジリエンスなどのキーワードも同時に認められた。 その他、社会構成主義の視点から述べられている論文がほとんどであった。そのため、ストレングスの視点および定義としては、個人の構成要素として「願望」「能力」「自信」「強み」など、環境の構成要素として「資源」「社会関係」などが抽出できると考えられた。以上の状況から「ストレングス・アプローチ」について考える際には、「願望」「自信」といった主観的な個人要因と環境要因との関係から捉える必要があると考える。 しかしながら、ここで述べた結果は収集した論文のうち一部の論文の整理に留まっている。今後システマティックレビューなどを行うことによって、再度分析・整理を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目の研究は、文献収集を行い、ストレングスアプローチに関する定義や基準、方法論などの概念的枠組みと研究領域及び今後の課題について整理することであった。文献を収集したが十分な分析ができておらず、論文化ができていない。今年度は、システマティックレビューを行い、質的・量的な分析を行うこと及び整理した内容について論文化する方向で進める。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目である2022年度は、2021年度に行なった文献収集・整理を継続的に実施し、レビュー論文としてまとめる。加えて、当初の予定にあるように主として以下の研究を進める予定である。 1)先行研究の収集・分析結果に基づいて、主要なインタビュー項目を作成し、半構造化インタビューによって概念、成果と課題、適用範囲などについてのインタビューシナリオを作成する。 2)相談・支援の分野で実践もしくは研究に従事している実践家や研究者を対象として、「アセスメント」、「指導方法」、「授業」、「相談・支援」に関する「ストレングス・アプローチ」の実践と課題及び意識について、インタビュー調査を行い、定性的な研究手法に基づいて、概念、成果と課題、適用範囲を整理・分析する。
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