2021 Fiscal Year Research-status Report
低出生体重児のサーカディアンリズムの形成と発達的予後についての研究
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21K02709
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
小西 行彦 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (60528157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須賀 健一 徳島大学, 病院, 特任講師 (70511335)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メラトニン / 低出生体重児 / サーカディアンリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、低出生体重児の新生児期から乳児期におけるメラトニンの分泌を中心に研究を行った。極低出生体重児を含む低出生体重児や正常新生児25名から検体を採取し唾液中のメラトニンを計測した。過去の報告では新生児期のメラトニン分泌におけるサーカディアンリズムがみられないことが報告されているが、今回計測した症例でも昼間と夜間の唾液中のメラトニン濃度に明らかな差を見出すことは困難であった。一方、症例によって唾液中のメラトニン濃度が高い症例と、低い症例がみられ、この傾向は採取時時刻によらなかった。このことから採取時刻以外の要素が唾液中のメラトニン濃度に影響している可能性が考えられた。過去の報告では新生児期の脳の障害の程度や、出生体重や在胎週数の違いなどがメラトニンの濃度に影響することが知られている。一方、メラトニンは母乳中にも分泌され、過去の報告でも母乳中のメラトニン濃度にはサーカディアンリズムがみられることが報告されていることから、我々は哺乳の内容がメラトニン濃度に最も影響すると考え、哺乳前後でのメラトニン濃度の変化や、哺乳内容(母乳か人工乳か、母乳であれば何時に哺乳を行ったかなど)で変化があるかどうかについても検討している。今年度の補助金は、主に上記の研究を遂行するための試薬の購入費および解析用のPCに当てられた。また、この研究を遂行するにあたって、補助金を用いて新生児期から乳児期におけるメラトニンの分泌に関する文献を複数購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、唾液中のメラトニンとコルチゾールを計測する予定であったが低出生児からの唾液の採取は困難なことも多くコルチゾールの計測は行えていない。また新生児~乳児期の唾液中のメラトニン濃度には哺乳している母乳や人工乳中のメラトニンが影響している可能性が示唆されたため、哺乳の影響についても検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していた3か月時でのメラトニン及びコルチゾールの計測については、メラトニンのみ計測を行う予定としている。また唾液の採取年齢を1歳半及び3歳時にも拡大し睡眠習慣との関連を検討する予定である。また令和3年度にメラトニンの計測を行った児について1歳半時点での睡眠習慣を質問票を用いてデータ収集を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため予定していた打ち合わせや対象者の同意の取得、学会への参加が困難であったこともあり予定していた予算を使用できなかった。今年度は引き続き対象者からの同意を得ることに努めるとともに学会への参加なども積極的に行っていく予定である。
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