2021 Fiscal Year Research-status Report
A study on the signalization of electric current perception for recognition of interpersonal distance in people with blindness
Project/Area Number |
21K02712
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
木村 朗 群馬パース大学, リハビリテーション学部, 教授 (20367585)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 失明者 / 低周波通電信号 / 打点感覚 / 対人距離 / 通電間隔解像度 / 通電周波数 / 刺激電位 / 生体インピーダンス |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、視覚遮断下での健常者に対人距離の位置を示す低周波通電信号によって情報を伝達するために必要な、通電による筋収縮を正起させずに、通電による打点感覚がきちんと離散的に知覚でき、再現静のある条件を定位させる「通電による信号化の至適条件」を明らかにすることに成功しました。 健常者に低周波通電を試み、センサーから対人距離認識システムによって、対人距離 2m を確保した場合、低周波通電刺激装置の通電で離散的な点状打点感を生体に伝えることになる通電間隔解像度が得られる刺激電位(mA)と通電周波数(Hz)の組み合わせを求めました。はっきりと打点感覚が入力されるためには電位を大きくすれば良いように思われますが、運動神経が電位を受け取り始めると、その動きが純粋な打点感覚の離散感覚を奪うという、ジレンマが生じます。経験的に刺激条件が報告されてきましたが、再現確率を記述した報告はありませんでした。 本研究では、まず5名の晴眼者成人における実験を遂行し、前腕背側での低周波通電における矩形波形を用いた筋収縮によって打点感覚が喪失せず、信号化が成立する条件として、刺激電位(mA)が6~9と通電周波数(Hz)が10~30であり、目視的筋収縮を惹起せず離散的打点感覚をもたらす最適組み合わせでは、5mA×15Hz付近において理想の条件を満たすことを明らかにしました。同様に、7名の失明者成人においても実験を実施した結果、この条件の下、失明者においても前腕背側での低周波通電における矩形波形を用いた筋収縮によって打点感覚が喪失せず、信号化が成立することが確認されました。
残念ながら、生体通電素材などの異なる通電刺激インターフェースの素材毎の継時的生体インピーダンスの変化については、当初想定してた測定機器がコロナ禍の影響により輸入困難となったことから、当初の予定を遅らせて実施する状況にあります。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、まず5名の晴眼者成人における実験を遂行し、前腕背側での低周波通電における矩形波形を用いた筋収縮によって打点感覚が喪失せず、信号化が成立する条件として、刺激電位(mA)が6~9と通電周波数(Hz)が10~30であり、目視的筋収縮を惹起せず離散的打点感覚をもたらす最適組み合わせでは、5mA×15Hz付近において理想の条件を満たすことを明らかにしました。同様に、7名の失明者成人においても実験を実施した結果、この条件の下、失明者においても前腕背側での低周波通電における矩形波形を用いた筋収縮によって打点感覚が喪失せず、信号化が成立することが確認されました。
残念ながら、生体通電素材などの異なる通電刺激インターフェースの素材毎の継時的生体インピーダンスの変化について、当初想定してた測定機器がコロナ禍の影響により輸入困難となったことから、当初の予定を遅らせて実施する状況にあります。 同測定を行うことで、通電感覚を利用した危険な状況の情報取得と伝達を失明者に遅延なく知らせるためのボトルネックになっている精神性発汗現象および気密性の高い電極構造がもたらす生体インターフェース間で生じるドライブ現象の潜時を明らかにすることで、新しく開発された吸湿性のある電極の有効性を検証できると考えます。
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Strategy for Future Research Activity |
生体通電素材などの異なる通電刺激インターフェースの素材毎の継時的生体インピーダンスの変化について、当初想定してた測定機器がコロナ禍の影響により輸入困難となったことから、国内において生産しているインピーダンス計を使用し、皮膚発汗量の測定方法および取得データのコンピュータ処理の実装に関する知見を得る努力によって、新たな実験装置の再構築を更に進めます。
これらの対策によって、およそ代替的に研究の目的にかなう状況になっていますが、この遅延分を含め、当初の予定を遅らせて実施する状況にあります。 しかし、参加者は確保されており、コロナ禍にあっても、対策が進んでいる状況であり、当初目論んだ計画に沿って、実験の遂行が可能な状態になっています。
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