知的障害児を対象とした交流学習の実施における発達的視点から捉えた自己決定の可能性

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K02718
• Research Institution: Hokkaido University of Education
• Principal Investigator: 細谷 一博 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00510190)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 交流学習 / 知的障害児 / 発達的視点

Outline of Annual Research Achievements

交流及び共同学習の実施において，意欲的に参加することが難しい知的障害児が存在するため，通常学級での学習に意欲的に取り組むための支援方法の検討が必要である。そこで知的障害児の意見を尊重した交流及び共同学習の実現に向けて，児童の意見を尊重し，実施内容に反映させる方法の可能性について検討するため，子どもの発達的視点を踏まえて，自己選択・自己決定の発達的様相を明らかにすることを目的とした。
本研究は全3か年（令和3年度～令和5年度）で計画しており，大きく分けて2つの研究で構成されている。研究1では，幼児期から児童期初期の自己選択・自己決定の発達的様相を明らかにすることである。研究2では，研究1の結果を踏まえて小学校知的障害特別支援学級に在籍する児童を対象に自己選択・自己決定に基づいた交流及び共同学習の可能性を実践的に検討することである。
上記の研究の構想に基づき，1年目（令和3年度）は幼児期の児童を対象に課題に対して自己選択・自己決定を行った際の課題に対する取り組み状況を明らかにすることを試みた。2年目（令和4年度）は，児童期初期である小学校低学年児童を対象に自己選択・自己決定をした際の課題に対する取り組み状況を明らかにする。3年目（令和5年度）は2年間の研究結果から，幼児期から児童期初期の課題に対する自己選択・自己決定の発達的様相を踏まえて，小学校知的障害特別支援学級に在籍している児童を対象に，自己選択・自己決定を踏まえた交流及び共同学習の実施の可能性について実践的に検討する。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究1年目（令和3年度）は，幼児期を対象に課題に対する自己選択・自己決定をした際の取り組みの様相について実験的に明らかにすることを目的としている。
Ｈ市内の認定こども園の協力のもと，年長児20名，年中児20名を対象に実験を終えている。現在，結果の処理と学会発表に向けて準備を進めている。

Strategy for Future Research Activity

研究2年目(令和4年度)は，小学校の低学年の児童を対象に，課題に対する自己選択・自己決定をした際の取り組みの様相について実験的に明らかにすることを目的としている。現在，Ｈ市内の小学校を選定中であり，新型コロナウイルスの感染状況を見ながら実験を進める予定である。