2021 Fiscal Year Research-status Report
重症心身障害児における注意の制御と二項関係形成に関する支援要因の検討
Project/Area Number |
21K02733
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
徳永 豊 福岡大学, 人文学部, 教授 (30217492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信利 北九州市立大学, 文学部, 教授 (90236612)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 重症心身障害 / 注意 / 二項関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、障害が重度な子どもに対する個別的な支援の充実をめざし、(1)覚醒行動、注意焦点化 (定位反応、注視)、注意持続、注意追随など、発達初期の行動を評価する「二項関係形成チェックリスト」の外部妥当性を検討し、その改訂を行う。(2)重症 心身障害の場合、コミュニケーションの発達水準は生後6か月前後の場合が多く、注意関連行動の発達変化が重要になる。これらに焦点を当て た支援者との相互交渉の状況を分析し、個人差に対応した支援のモデルを検討することである。 まず、二項関係形成チェックリストとして、覚醒行動、注意焦点化(定位反応、注視覚、注意持続、注意追随、選択的注意、注意抑制、注視切替などを手がかりに行動項目を検討した。その二項関係形成チェックリストの専門的妥当性を検討するために、重症心身障害児との臨床経験が豊富な特別支援学校教諭8名に検討を依頼している。対象となる子どもは、発達評価において代替手段が必要となる視覚障害及び聴覚障害を除く重症心身障害の子ども(発達に著しい偏りが少ない小学部に在籍する子ども)としている。2か月に1回の研究協議会を開催して、行動項目の検討と臨床的な課題や評価のためのい工夫に関する情報交換を実施している。また、二項関係形成チェックリストの外部妥当性を検討するために、二項関係形成チェックリストと「新版K式発達検査2001」による縦断的な発達評価を実施し、発達初期の行動項目のデータを比較している。 また、支援者との相互交渉の状況を分析し、個人差に対応した支援の検討についてもその研究を進めている。重症心身障害の場合、コミュニケーションの発達水準は生後6か月前後の場合が多く、注意関連行動の発達変化が重要になる。新版K式発達検査2001」の発達年齢に基づき、「1ヶ月」「2ヶ月」「4ヶ月」「6ヶ月」に該当する事例を選択するための発達評価を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二項関係形成チェックリストの行動項目を検討した。その専門的妥当性を検討するために、2か月に1回の研究協議会を開催している。また、二項関係形成チェックリストの外部妥当性を検討するために、発達初期の行動項目のデータを比較している。また、支援者との相互交渉の状況を分析し、個人差に対応した支援の検討についてもその研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
二項関係形成チェックリストの行動項目を検討した。その専門的妥当性を検討するために、2か月に1回の研究協議会を開催している。重症心身障害児との臨床経験が豊富な特別支援学校教諭との協議を通して、縦断的な発達評価のデータを比較しつつ、行動項目の改訂と、臨床的な課題や評価の方法を検討していく。 また、支援者との相互交渉の状況を分析し、個人差に対応した支援の検討についてもその研究を進めている。「1ヶ月」「2ヶ月」「4ヶ月」「6ヶ月」に該当する事例を選択して、支援者の段階的な働き掛け場面におけるデータ収集をすすめる。
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Causes of Carryover |
研究についての打ち合わせを国立特別支援教育総合研究所で計画していたが、コロナ拡大で延期となった。次年度、早急に実施するように進める。
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