2021 Fiscal Year Research-status Report
公正な研究活動の促進に向けたプロフェッショナルスキル学習プログラムの開発
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21K02738
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡林 浩嗣 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 講師 (70333309)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 研究マネジメント / 研究公正 / 教育カリキュラム / 職業教育 / プロフェッショナルスキル |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度となる2021年度は、特定不正行為などの罰則が明示的に示されている不正のみならずQRP(好ましくない研究行為)を含む広い意味での研究不正、すなわち「研究者の職場環境や競争環境の健全性を失わせる原因となり得る行動」をいかにして抑制することができるか、という観点に立ち、特に大学で教育研究に従事する研究者が、その職業人として「期待されるふるまい」をどの様に理解し、それがどの様に形成・教育されているのかを明らかにする為、まず調査対象の分野区分と、それぞれの分野の特性や研究者のキャリアの傾向をつかむべく、予備的な調査(本研究で分析対象とはしない意見交換)を実施した。この予備調査は、調査範囲となる研究分野の分類やそれぞれの分野特性を現場の研究者自身がどの様に認識しているかをあらかじめ確認した上で、今後の本調査の対象と規模を確定する為に必要なものである。予備調査は、特に研究不正行為が多く報告されている分子生物学・生化学などの基礎生命科学分野と、いわゆる臨床研究を中心とする医学分野の研究者数名に対面でヒアリングを行い、スノーボールサンプリングにより順次調査対象を拡大する方式で2021年度中盤より開始した。さらに、分析対象となる分野において有力とされる研究者へのヒアリングを2022年度に実施する為、2021年度は科学研究費データベースやScival等の論文データベースを通じた分析結果に基づき、その対象候補者の選別を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス対策により移動制限はあったものの、予備調査としての対面による意見交換を実施することができ、大学の研究者としての後進の指導技術やその評価と昇進との関係や、分野毎の認識の違いについて情報を得る事が出来た。分析対象とする有力研究者の選別については年度を跨いで実施を継続している。今後早い内に対象者を決定し、インタビューの実施へと進む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度から引き続き、インタビューの対象候補となった研究者を含め、生命科学分野の有力な指導者の中でも特にその後進育成の能力が高いと推定される研究者を、科研費獲得に関わる分担関係と論文発表における共著関係の分析を通じて選別する。インタビュー項目を早期に確定し、学内倫理審査を完了し次第、これらの研究者に対するインタビュー調査を2022年度中に実施する。さらに、研究者の育成において、大学院で広く講義や実習として学ぶべきプロフェッショナルスキルに関する認識やニーズに関する大規模なwebアンケート調査の準備を進め、2022年度末までに実施する。
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Causes of Carryover |
2021年度は主に予備調査を中心に実施し、旅費が不要な範囲での対面ヒアリングを行った、また、解析用コンピュータについては2021年度末の購入を予定していたが、納期の関係で調達を翌年度に実施することとした。2022年度はこれら物品調達に加え、関連文献の購入と、ヒアリングやアンケート実施に関する費用としてこれら予算を使用する計画である。
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