2023 Fiscal Year Research-status Report
公正な研究活動の促進に向けたプロフェッショナルスキル学習プログラムの開発
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21K02738
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡林 浩嗣 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 講師 (70333309)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 研究マネジメント / 研究公正 / 教育カリキュラム / 職業教育 / プロフェッショナルスキル / 専門知 / 生成系AI |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目となる2023年度も引き続き、職業研究者を対象として、特定不正行為や「研究者の職場環境や競争環境の健全性を失わせる行動」に適切に対処する為の知識の習得や、研究室やゼミの運営に関するスキルやノウハウの成立過程とその多様性を理解するという視点に立ち、調査対象者の継続的な選定と質問事項のアップデート、インタビュー等を行った。これまでの予備的ヒアリングや一次調査では、自らの研究分野の常識を異分野のそれと比較するという経験そのものが無い、もしくは意識したことが無い研究者が多いことに加え、特に座学を中心とする通常の講義や、専門職としてのスキルに関わる指導以外の面では、日常的な研究指導における教育的側面やその手法の妥当性に関する自己認識が不明確な例が比較的多数を占めることが分かってきた。これらの傾向を踏まえ、改めて質問事項のうち、特に学生指導スキルに関わる設問の具体化を行い、調査対象者を選定し、順次本調査(対面ヒアリングによるインタビュー調査)を開始した。また、これまでの予備調査の結果を踏まえてこれまでに筑波大学内で実施してきた「学生へのキャリアパス教育への研究倫理的要素の溶け込み」の実践例について、広島大学高等教育開発研究センター第51回研究員集会で報告を行った。さらに、これまでの結果を踏まえ、科学者のもつ「専門家として妥当なふるまい」の範囲に関する認識の差異に着目し、近年特に求められる「研究者の専門知と社会的意思決定」および「生成系AIの利用」の2点に焦点を絞り、これらに関わる現場の研究者らの認識がどの様に醸成され伝達されるかを追加調査すべき要素として取り上げ、新たな質問項目の設定を開始した。これらの問題意識に関する情報収集を目的とし、第46回日本分子生物学会年会においてフォーラムを主宰した他、2023年度全国公正研究推進会議では生成AIの適正利用と課題に関する報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来の研究計画の最終年度として、分析対象とする有力研究者の選別を行い、インタビュー調査へと進んでいるものの、2023年度に改めて追加した2つの視点(専門知の信頼範囲に関わる認識、および生成系AI利用に関する認識)に関わる質問を付加するなどの変更を行ったこともあり、全体として調査は遅れている。また、論文の共著関係のネットワーク可視化に基づく調査対象者の選定の妥当性の数値化という点でも作業が遅れている。今後インタビュー調査を加速化すると共に、調査対象者選定の妥当性に関する分析を進め、最終的な取り纏めを行う。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、進行中の調査対象者への本調査を引き続き実施すると共に、Webアンケート調査の設問項目を早期に確定し、関連する学会事務局へ協力依頼を行ったうえで調査を実施する。年度内に調査を完了し、基礎生命科学分野における大学教員の「職業人」としての自己認識と「専門家」として求められるふるまいに関わる認識の合致性に加え、日々の研究指導における具体的な「指導者として望ましいスキル」の定義やその取得に関するカリキュラム案を検討し、成果として報告する。
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Causes of Carryover |
2023年度は、調査対象者の確定とインタビュー調査を順次実施しつつ取り纏めを行っていたが、これまでの調査・考察を通じて生じた、特に近年に求められている研究者の認識に関わる新たな調査項目の追加を行い、これに関連する情報収集などを目的とし、学会でのフォーラム開催や全国公正研究推進会議での発表を行う必要があった。さらに、調査対象者との調整が整わずインタビュー全体がやや遅れていることから、当初計画していた調査を完了するには時間が足りず、次年度(2024年度)への延長とこれに伴う繰り越しが必要となった。2024年度は残りのインタビュー調査に関わる旅費に加え、関連文献の購入やWebアンケート調査の実施費用、及び論文投稿関連費用として、これら予算を使用する計画である。
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