2021 Fiscal Year Research-status Report
小児看護領域におけるオンライン授業導入による看護学実習の実態と効果の検証
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21K02748
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
芳賀 了 山梨県立大学, 看護学部, 助教 (20883903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 克明 熊本大学, 教授システム学研究センター, 教授 (90206467)
山田 光子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (10293474)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小児看護学実習 / オンライン授業 / ハイブリッド授業 / インストラクショナルデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、小児看護領域におけるオンライン授業導入による看護学実習の実態を確認するために、文献レビューを行った。 小児看護学実習、オンライン授業、ハイブリッド授業等のキーワードで文献検索したところ、11の論文を抽出した。そのうち実践報告が10件、原著論文が1件あった。各論文を精読すると、COVID-19の影響による制約を受けながらも、オンライン授業や学内演習のメリットを活かし、デメリットを打ち消す工夫を抽出することができた。具体的には、仮想事例や仮想病室におけるリアリティの追及、協調学習の促進、学修目標の修正、オンラインにおける双方向性の確保、学習管理システム(LMS)の活用等があった。 これらの工夫点を駆使しながら、臨地実習では未然に防がれるような失敗を意図的に演出でき、そこから多くを学べること、学生同士の学び合いが促進されること、成績評価の公平性が高まる等のメリットが報告され、臨地実習では得られにくい効果が認められた。一方で看護職同士の連携や看護職の家族へのかかわりなどを観察できる機会が少ないこと、対象に直接かかわることができないことによる緊迫した臨場感の欠如などのデメリットが認められた。 今後はCOVID-19感染が終息しない時代における昨今の小児看護学実習において、担当教員がハイブリッド実習をより良いものにするために、実装している工夫点を明らかにしたい。そのために、文献レビューで得られた知見とインストラクショナルデザインの知見を活かした質問項目を検討し、今年度中に調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は、文献レビューを行い、それをもとに質問項目を検討したうえで、小児看護学教員に対し、アンケート調査を行う予定であった。しかし文献検索の結果、該当する論文が少なかったため、質問項目の検討が遅れ、その結果調査実施に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、文献レビューをさらに進めるとともに、小児看護学教員に対するアンケート調査を実施する予定である。研究の推進方策として、共同研究者と定期的にミーティングの開催を計画する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で、①計上していた学会旅費の支出がなくなったこと、②調査に遅延が生じ、通信費等の支出が減ったこと、③調査に遅延が生じたため、統計ソフトの購入を見送ったこと等により、次年度使用額が生じた。 2022年度は調査を計画通りに実行できると判断しており、旅費、統計ソフト購入費、通信費が発生する予定。
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