2022 Fiscal Year Research-status Report
生涯学習における履歴に基づく教育サービス改善を目的とした学習解析手法に関する研究
Project/Area Number |
21K02749
|
Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
葉田 善章 放送大学, 教養学部, 准教授 (00392291)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 生涯学習 / 学習解析 / オンライン授業 / 教育ビッグデータ / エビデンスに基づく教育 / 学習モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,生涯学習に学習解析(LA: Learning Analytics)を導入し,学習者の特性や学習目標の到達度を測る解析手法を確立することによってエビデンスに基づいた教育の実現を目指す。申請者が所属する生涯学習の中核的高等教育機関である放送大学のオンライン授業が実践フィールドである。確立した解析手法を用いて,教職員に授業をはじめとした教育サービスの改善に役立つ情報を示し,個々の学習者に有益となる教育サービスを実現する方法・手法を追求する。 2022年度は,研究のとりまとめとなる2023年度に向け,現状を踏まえた学習解析の展開について研究の再設計を図った。新たに,これまで制作した教材を蓄積して活用する教材アーカイブスや,教育・研究開発の成果を公開する資料館といった学内のプロジェクトに携わり,オンライン授業のログだけでなく,教材コンテンツの蓄積や運用を行うプラットフォームのログを用いた教材改善について本研究の対象に含めることとした。従来よりも学習解析の適応範囲が広くなることから,学務情報や大学の提供する教育やサービスに関してモデル化を行い,制作される教材に含まれるスキルや特性,教材登録の方法,教材コンテンツの取り扱い,学習解析の適応先や応用について考察を進めた。また,データを取り扱い,解析するための基盤となるプラットフォームについても現在の新技術の調査を進め,データの整理や解析ツールなどの整備を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学習解析のために取り扱うデータや適応する対象が増えたこと,システムの再設計が必要になったことが大きい。一方で,学習解析の対象とする範囲の整理が進み,得られるデータやその適応についての検討も進んでおり,研究を進めることで一定の成果が得られると予想されるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
放送大学は,全国各地に多種多様な背景を持つ学習者が存在するとともに,学生に提供する授業の形態も放送授業やオンライン授業,面接授業と種類があり,それぞれ制作や提供方法に特徴がある。一方で,その特異な学習の提供のために,解析に適した学習モデルがないことから,構築に向けてデータの整理を進める。解析のために得られるデータが少ない放送授業や面接授業においても,教材アーカイブスの運用ログを用いた解析を行うなど,得られるデータを用いた遠隔教育における生涯学習に適した学習解析の提案を目指す。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍と言うこともあり,主に旅費で計画していた外部での学会発表を差し控えていた。2023年度は,旅費,システムの構築など前年度分も合わせて計画を進める予定である。
|