2021 Fiscal Year Research-status Report
Explication of the conceptual understanding and development of its teaching by the analysis of the discussion passed in a peer-instruction
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21K02756
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
山岡 英孝 金沢工業大学, 基礎教育部, 教授 (10443045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 哲也 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (90625500)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | テキストマイニング / 学習行動 / 概念獲得 |
Outline of Annual Research Achievements |
データ解析の手法を確立するため,すでに蓄積されている授業アンケートの自由記述のデータを用いて,予備解析を行った.解析の手法としては,形態素解析により,自由記述の内容を単語要素に分割し,1)学習に関する単語の出現頻度の分析,2)ネットワークグラフの作成,3)ワードクラウドの作成を行った.これらの手法は,コンセプトテストに対する学生のディスカッション内容のデータ解析にも援用しうるものであると考えている. また,学生のディスカッション内容の取得方法についても検討した.研究初年度に購入したiPad を用いて,学生が学生のディスカッション内容を記録できることを確認するとともに,音声データによる記録方法についても検証した.ある程度の距離に集まって,ディスカッションした内容は,特別な機器を用いなくても録音可能であった.音声データの場合,データ解析の前処理として,データのテキスト化が必要となる.これについても,概ね,正しい日本語のテキストデータが抽出可能であることが確認できた. 一方で,授業のDX推進にも対応するため,既存システム(クリッカーシステム)以外の方法でも,コンセプトテストの出題し,学生の回答の集計を提示可能なシステムの構築を行った.近年の遠隔授業の実施により,対面授業時でも学生はノートPCの活用が日常的となったため,学生のノートPCを介して,コンセプトテストを実施する方法である.これにより,既存システムのバージョンアップデートや機器自体の更新に影響される心配がなくなった. その他,コンセプトテスト自体の見直しを図り,テスト問題の拡充と出題型の分類も行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度からの新型コロナ感染症の影響により,遠隔授業の実施が主体となり,授業内容の統一の要請など,教授・学習方略の展開に対して,当初予期せぬ厳しい制約を受けることを余儀なくされた.このため,データ解析の手法を確立に焦点を当て,すでに蓄積されている授業アンケートの自由記述のデータを用いて,予備解析を行った. 本来,授業内における学生同士のディスカッション内容を記録し,このデータのテキストマイニングを通して,1)ディスカッション内容と学習概念の関係を分析し,2)ディスカッション内容を踏まえた学習指導法の確立を目指すことが,本研究課題の目的である.しかしながら,新型コロナ感染症の影響により,1)遠隔授業の比率が高まったことと2)対面授業下での学生同士の会話の制限から,本年度におけるデータ収集を断念せざるを得なかった. 一方で,次年度以降にデータ収集が可能となった際に,直ちに研究を遂行できるよう予備解析を行い,データ解析の手法の確立を図った.これらの解析手法の検討は順調に進んだが,研究計画全体から見た場合,授業内における学生同士のディスカッション内容のデータ収集が遅れたこと考慮に入れると,研究計画は「やや遅れている」と判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度以降は,対面授業の形態での授業実施が見込まれるため,研究計画に準じてコンセプトテストを実施し,授業内における学生同士のディスカッション内容のデータ取集を図る予定である.さらに,学生のグループごとの議論効率の違いについても分析,ディスカッション内容の特性を抽出する予定である. また,授業期間終了時には,ディスカッションにおける推論の型とコンセプトテストの出題型との関係性を明らかにしたい.ここで,今年度行った予備解析の手法を適用することを予定している.
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Causes of Carryover |
遠隔授業への変更により,研究準備と予備解析主体の年度となったため,研究発表にかかる予算を次年度への繰り越しとしたため.次年度以降の研究進捗に合わせて,研究発表を実施し,予算を使用する予定である.
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