2021 Fiscal Year Research-status Report
Ruby on Railsの初学者のための躓き自己解決支援システムの開発
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21K02758
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
高橋 圭一 近畿大学, 産業理工学部, 准教授 (90388588)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プログラミング学習 / 躓き要因の分析 / 学習進度推定 / デバッグ支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画では2021年度に、(1)一般的な学習教材であるRailsチュートリアルを用いた学習データの収集と、(2)その学習データのエラーデータベースへの自動登録機能の開発を実施する予定であった。 (1)については、Railsチュートリアル教材を用意し、6名の被験者による学習データの収集を終えている。収集した学習データとしては、学習者が躓いたときのソースコードと学習者が操作している画面をキャプチャした動画ファイルである。 (2)については未着手である。計画段階では、躓いたときのエラー情報のみからデバッグ支援の情報を提示する予定であったが、同じエラー情報であっても学習教材の操作手順によってデバッグ方法が異なる可能性が高いことがわかった。そこで、学習者が発生したエラー情報から学習者が教材のどこを取り組んでいたのかを表す学習進度を推定する手法について研究を進めた。本機能に関しては開発を終え、基本的な手順での検証と評価を終えている。 また、躓き要因ごとのデバッグ難易度やエラー情報の分析を効率化するためのツールの開発も進めた。具体的には、エラーを修正するための試行回数と修正時間を調査し、TemplateErrorとそれ以外の例外については差異があることがわかった.また、Git リポジトリの情報とログファイルを組み合わせてエラー情報を可視化するツール(FOEs Viewer)についても開発を進めた。本ツールを利用することで、効率的に 分析作業を進めることができることが確かめられた。 2022年度には、2021年度に開発予定であった学習データのエラーデータベースへの自動登録機能の開発を進め、さらに2022年度に計画していた講師のためのアノテーションツール開発を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に予定していた2つの作業のうち1つは完了していること。未着手の1つの機能である「学習データのエラーデータベースへの自動登録機能の開発」については、今年度、優先して開発した学習進度推定機能から得られる情報を用いることで、データベースへの保存時の変換処理が不必要になったため開発期間を短縮できる。 また、Rails開発におけるデバッグ難易度の分析と調査、および、分析作業を支援するツールについても研究開発を進めたことから、今後の分析作業の効率化や開発時間の短縮が見込まれるため、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度に開発予定であった「学習データのエラーデータベースへの自動登録機能の開発」を進め、さらに2022年度に計画していた「講師のためのアノテーションツール開発」を進める。これら2つの機能開発に必要な学習者によるエラー情報は2021年度に収集済みであるため、開発を進める上で障害はない。
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