2021 Fiscal Year Research-status Report
Support system for teachers to read Braille reports of blind students
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21K02763
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Research Institution | Kinjo College |
Principal Investigator |
瀬戸 就一 金城大学短期大学部, ビジネス実務学科, 教授 (90196973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川邊 弘之 金城大学, 社会福祉学部, 教授 (60249167)
下村 有子 金沢大学, 設計製造技術研究所, 研究協力員 (70171006)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 深層学習 / 点字変換 / 全盲学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、障害をもつ人の進学意欲が高まり、どの大学においても急速に増加している。そのため、教員が宿題やレポートを課した場合、全盲学生はまず点字ワープロでレポート等を作成する。提出されたものは、点字特有の「表音カナ文」で印刷されているため、教員にとってその点字レポートは読みにくく、誤読しがちであり、この状況を改善するためには、「表音カナ文」から「かな漢字混じり文」を作るシステムが必要である。 そこで我々はTensorFlowを使用して、まず点字コードから点字の「表音カナ文」の変換を試みたが有効であるということが分かった。教師用のトレーニングデータは2万8600文(入力用データとして、青空文庫から14冊選択し、市販のEXTRAで「点字コード」に変換した。また、出力用データとして1文に修正した入力文を「表音カナ文」に変換した)、トレーニング時間は17時間40分とトレーニングセットが小さいにもかかわらず、トレーニング精度は99%と高かった。 また、翻訳精度を表すBleuスコアの精度は0.789と高い評価が得られた。さらに、検証データ1冊の中から翻訳ミスを調査した。評価用データ93文中30個の翻訳ミスを4つに分類した。読み方のミスでは「目指して→、まなざして」、「からだを→しんたいを」等の文字の認識ミスである。次に分かち書きのミスでは教師データにない単語の前後に区切りミスが発生している。括弧においては、教師データの用例に合わせて発生しており、用途が異なっている。最後に類義語のミスでは、「2せん→数字で2000」等のように数値で表現可能な文字にミスが発生している。このように意味的な検証では、93行中29行(=31%)で30か所にミスがあり、意味的検証を行うと翻訳ミスが多くあることが分かった。私たちの翻訳システムでは、結果にいくつかの翻訳ミスがあったが、変換で高い精度が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デスクトップのワークステーションを6月に注文したにも関わらず、半導体不足の影響のため、納入が10月中旬となり、システム構築関係が遅れている。 ただし、旧式のワークステーションがあるため、翻訳システムの構築には能力不足であるが、プログラム開発としては使用できる。このワークステーションで教師データの作成を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、教師用データとして1万件、検証データとして100文のテキストデータがある。これをまずは教師データ10万件、検証データを1000文くらいまで追加作成する予定である。 当初の予定では2年目に「点字データ」から「日本語かな文」データへの翻訳、「日本語かな文」データから「かな漢字混じり文」データへの翻訳、「日本語かな文」から「かな漢字混じり文」へと段階を経て、翻訳精度を上げる計画をしていたが、今年度は「点字データ」から一気に「かな漢字混じり文」へ変換する翻訳を試みてから、改善していく方針とする。 さらに、これまでシステムで教師用トレーニングとして1行ずつ翻訳しては学習させる形式だったが、この方式では意味的な解釈が弱く、同音異義語の漢字変換にミスが多く発生していた。この改善策として、複数行の翻訳学習が成功すれば、変換結果が向上するのではないかと考え、今後のシステム構築の検討課題としたい。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響でオンライン発表を行ったため、次年度においては国際学会の発表を目指す。また、今年度の秋に学会論文投稿を行ったので論文投稿代を見込んで使用を控えていたが投稿結果が延びている。次年度には確実に論文投稿するように目指したい。
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Research Products
(1 results)