2023 Fiscal Year Annual Research Report
Support system for teachers to read Braille reports of blind students
Project/Area Number |
21K02763
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Research Institution | Kinjo College |
Principal Investigator |
瀬戸 就一 金城大学短期大学部, ビジネス実務学科, 教授 (90196973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川邊 弘之 金城大学, 人間社会科学部, 教授 (60249167)
下村 有子 金沢大学, 設計製造技術研究所, 研究協力員 (70171006)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日本語点字 / 同音異義語 / 翻訳システム / ディープラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚障害者にとって重要な情報伝達手段である点字は、読むのに時間がかかるという課題がある。本システムは、点字を自動的にかな漢字混じり文に変換することで、読書速度の向上を目指した。 Transformerベースのディープラーニングモデルを用いて点字からかな漢字混じり文への翻訳システムを開発し、点字とかな漢字混じり文の対訳データセットで訓練した。評価指標には、機械翻訳の検証によく使われるBleuスコアを用いた。 訓練データでの精度は0.906、検証データでのBleuスコアは0.600という結果を得た。翻訳精度は十分に高いものの、検証データにおける翻訳ミスは88個と、課題も残った。このうち、同音異義語・熟語による誤りが5個、漢字変換不能が9個、その他が74個であった。 翻訳精度は高いものの、同音異義語や熟語による誤りが課題となった。これらの誤りは、データセットとネットワークモデルの拡張によって改善できる可能性がある。データセットの拡張: より多くの点字とかな漢字混じり文の対訳データを集め、特に同音異義語や熟語を含むデータを増やすことで、誤りを減らす。ネットワークモデルの拡張: Transformerベースモデルの規模を拡大し、段落オーダーの文を扱えるようにする。翻訳対象以降の文も翻訳の参照にできるように、ネットワーク構造を拡張する。 本研究は、ディープラーニングを用いた点字からかな漢字混じり文への翻訳の可能性を示した。今後は、データセットとネットワークモデルの拡張により、翻訳精度の向上を目指していく。さらに、段落・文単位の翻訳や同音異義語問題の解決にも取り組んでいき、視覚障害者の読書支援に貢献できるシステムを目指していく。
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