2021 Fiscal Year Research-status Report
xAPIによる学習履歴データの記述とその利活用に関する研究
Project/Area Number |
21K02782
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
森本 容介 放送大学, 教養学部, 准教授 (00435702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 雅子 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 助教 (20617287)
柳沼 良知 放送大学, 教養学部, 教授 (10251464)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | xAPI / 学習履歴データ / Moodle |
Outline of Annual Research Achievements |
学習履歴データの表現、交換のための標準規格であるxAPIでは、学習履歴の粒度や使用語彙を含むプロファイルが決められていない。相互運用性と、学習履歴データの分析における使用方法を考慮したプロファイルの設計、および分析の試行を通して、xAPIの利点と欠点を明らかにすることが本研究の目的である。2021年度までに、以下の研究を実施した。 代表的な学習管理システムであるMoodleを対象としたプロファイルを策定した。Moodleのイベント(ログに記録される事象)から、学習履歴データとして記録すべき学習行動を特定し、それぞれに対応するステートメント(xAPIにおける学習履歴データの表現形式)を設計した。既存のツールが生成するステートメントや、類似する既存のプロファイルとの比較を行い、特に語彙の整備が必要であることを明らかにした。また、学習者の識別子の匿名化、学習セッションの表現方法、ユーザエージェントの記録など、プロファイル策定に当たって検討すべき項目を整理した。 Moodleのデータベースから、策定したプロファイルに基づくステートメントを生成し、LRS(学習履歴データベース)に格納するツール、およびLRSに格納されたステートメントを視覚化するダッシュボードを構築した。実運用されるMoodleから生成したステートメントをLRSに格納し、ダッシュボードを用いて分析を試行した。基本的な分析が行えることを確認したが、現在のステートメントでは、ビデオの視聴時間の正しい集計が困難であった。追加のデータを記録する仕組みのMoodleへの導入と、ステートメントの修正が必要である。 次年度以降は、異種、異粒度の学習履歴データを組み合わせた分析を行い、策定したプロファイルの妥当性の検証とxAPIの評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書に記載した研究をすべて実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に研究を進めている。当初の計画通り実施する予定である。
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Causes of Carryover |
申請時にはサーバを購入する予定であったが、当該年度は既存の機器を流用して研究を実施した。翌年度は、研究の進捗に応じて、サーバの購入、システム開発、論文誌掲載料などに使用する予定である。
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