2021 Fiscal Year Research-status Report
LTIを用いた教育学習資源の共有を実質化するための研究
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21K02799
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
隅谷 孝洋 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (90231381)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | LMS / LTI / クリッカー / スライド共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、目標1)過去に開発したLTIクリッカーを機能拡張し新しい規格に対応させること、目標2)LTIツールを複数クラス・複数機関で共用した時の問題を実践的に調査し、それを解決すること、目標3)本研究で得られた知見をもとにLTIツールを構築するためのフレームワークを構築し公開すること、である。LTI(Learning Tools Interoperability)とは、LMS(Learning Management System、学習管理システム)を拡張することができる規格の一つである。それぞれのLMSに固有のプラグイン機能を使う場合と異なり、外部Webサーバに規格に準じたツールを用意するものである。そのため、一つのLTI実装で、複数種類のLMSに対応することができ、互換性の高いシステムを構築することが可能である。
本年度は目標1について開発をすすめた。開発環境をととのえ、外部委託をする業者を選定した。本研究の調書を作成した2020年に始まったコロナ禍が自分の想定よりも遥かに長く続き、ICT活用教育の環境の激変をもたらし、継続している。この状況で有意義な機能拡張について検討をおこなった。計画では、スライドを教室スクリーンに投影しながら対面授業をする際に、学生が手元でスライドを確認し、メモや前後のスライドの確認をすることで学習効果を高めるような機能拡張を行う予定だった。同時双方向のオンライン授業が数多く実施されるようになっている現在、その状況でも効果が上がるよう、スライド共有機能、アノテーション機能、クリッカー機能についてそれぞれ、委託業者を交えて検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では1年目に目標1のシステム拡張を実施する予定だったが、まだ開発が完了していない。コロナ禍による同時双方向授業、またハイフレックス授業が想定よりも多く長く続いているため、システムをその状況に対応させるための検討が必要であり、開発の開始が遅くなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画では、2021年度:システム拡張→2022年度:研究協力者を登録し授業実践→2023年度:LTIツールにおけるユーザ管理機能の実装とフレームワーク化、としていた。現在開発が遅れているため、2022年度10月までに開発完了を目標に進めた上で、2022年度後期と2023年度前期に授業実践を行う。さらに平行して2023年度前期よりLTIフレームワークの開発を進める。
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Causes of Carryover |
開発の委託が遅れていることと、経費が発生する出張を年度内に一度もおこなわなかったため、次年度使用額が発生した。開発の委託が遅れているため、工数と打ち合わせ回数の増加を確保し、当初予定の委託額より多めの60万円-72万円を開発委託経費に使用する。本年度からは研究会の現地開催が始まっているので、旅費として15万円-20万円程度を使用する。
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