2021 Fiscal Year Research-status Report
ユーザ視点に立脚した情報セキュリティ・モラル学習ツールの開発
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21K02815
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
河野 和宏 関西大学, 社会安全学部, 准教授 (60581238)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 情報セキュリティ / 情報モラル / 学習ツール / 体験ゲーム / アナログゲーム / ARCSモデル / ゴールベースシナリオ理論 / XR |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は,教材の媒体やリテラシー・習熟度の違いを考慮した教育ツールを複数開発した. 情報セキュリティや情報リテラシーを学ぶ新しいアナログ媒体の学習ツールとして,フラックスと呼ばれるゲームをもとにした「セキュリティフラックス」,水平思考ゲームをもとにした「I Think」を開発した.大学生に体験し,ARCSモデルにおける4観点から評価したところ,どちらのゲームも興味関心の喚起や知識の修得,リテラシー能力の向上がみられ,効果的な学習ツールとなっていることが確認された.また,2018年度に発表した心理面から違法動画の視聴対策を考えた研究の成果を,2019年度に開発した「セキュリティライフゲーム」に取り入れ,より実践的な教育が実現できるように改良した.さらに,これまでの開発ゲームに得られた知見をもとに,近年話題の消費者教育にも取り組んだ. デジタル媒体では,2020年度の開発に引き続きMinecraftを用いたAIリテラシーの向上の研究に取り組み,2021年7月に研究成果を学会(EMM研究会)にて報告した.また,パソコンの中身のブラックボックス化の解消を図ることを目的に,教育学の理論であるGBS理論とリスクマネジメントの分野でよく使われるPDCAサイクルの2つを組み合わせた,あらたなパソコンの組み立てを学ぶデジタルツールを開発した. そのほか,XRを用いた地震体験アプリケーションの開発にも取り組んだ.この研究の内容を2022年3月7日,8日開催のEMM研究会で報告したところ,EMM研究会優秀学生発表賞を受賞しており,高い評価が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は,主に教材の媒体やリテラシー・習熟度の違いを考慮した教育ツールの開発を実施した.交付申請書には,こうした各種ツールの開発と,ユーザが情報リテラシー・モラル学習に追い求めるものを整理し教育者視点ではなくユーザ視点に基づいた学習ツールの設計を挙げていた.前者は,さまざまなツールの開発が行われており,予定通りといえるが,後者はまだ研究途中の段階で研究成果としてまとめられていない状況である.アンケートの作成等はこれまでの知見が十分にあるため,すみやかに論点を整理し,研究を進める予定である. 以上より,後者の分析および設計が十分に進んでいないことから,やや遅れていると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に記載した通り,各種教育理論に則った新たな学習ツールの開発,これまでに開発したツールの教育効果の測定や改善をはかる予定である.さらに,開発者視点・教育者視点ではなくユーザ視点に則ったツールの設計を速やかに実施したうえで,その設計案に基づくあらたな学習ツールの開発を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
2021年度は,新型コロナウイルス感染症の影響により,対面で参加予定の学会・研究会・大会がすべてオンラインになってしまったため,2022年度分として未執行分を計上する. 2022年度については,物品費(各種消耗品も含む),旅費(学会の参加費・出張費など),人件費などを申請書にある通りに利用する予定である.2021年度未使用分は対面参加予定の学会・研究会のオンライン実施化に伴う差額分であるが,2022年度は現地開催が多くなる予定のため,それらの予算として利用する予定である.
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Remarks |
HPにて概要を公開中であるが,これらの研究成果は,研究会にてあらためて報告する予定である.
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Research Products
(7 results)