2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a learning guidance index based on behavioral patterns to prevent students from dropping out of school
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21K02816
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
白土 浩 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (30315460)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ネットワーク利用状況調査 / Webアプリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では大学などにおける中途退学者の予防や学業支援を「教育ビックデータ」を基に学生の行動指標や受講指標を定量化し学生指導の指標として用いることを目指している。これまで、学生の行動指標を取得する手段としてキャンパス内に張り巡らされた構内 Wi-Fi AP への接続状況を収集しデータベース化、併せて概況を把握するため、接続状況を表示するためのWebアプリケーションを構築している。 本年度は、より詳細な就学状況を評価する指標の一つとして、講義時間中のネットワークアプリケーション利用状況について調査を進めてきた。具体的なネットワーク利用状況の解析方法として、Layer7Firewall が収集する膨大なアクセスログから、Wi-Fi AP への接続情報などを基に利用者を特定し、利用アプリケーションと講義との関連性について評価するシステムの構築を行った。そして、実データを用いた分析を行い、その結果を時間・ユーザ毎の利用状況としてデータベース化した。併せて、これらの情報を可視化するWebアプリケーションも構築した。一方で、詳細なアプリケーション利用状況の分析をする上で Google社が推進するQUIC プロトコルによるセキュリティ対策の一つであるアプリケーション秘匿化の影響で講義に関連するアプリケーション利用とそうでない通信を分離することが困難となる問題点が見つかった。このため QUIC プロトコルを遮断した場合の影響調査を別途、実施した。 半年間の間、限定的なネットワーク内で遮断した状態で講義や学生利用について検証した結果、問題がないことを示した。その後、学内の基幹 Layer7Firewall の設定変更を申請し許可された。今年度より遮断した状態でネットワーク運用を開始し、より詳細な講義受講状況の解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
詳細なアプリケーション利用状況の分析をする上で Google社が推進するQUIC プロトコルによるセキュリティ対策の一つであるアプリケーション秘匿化の影響で講義に関連するアプリケーション利用とそうでない通信を分離することが困難となる問題点が見つかった。このため QUIC プロトコルを遮断した場合の影響調査を別途、実施する必要性に迫られた。 半年間の間、限定的なネットワーク内で遮断した状態で講義や学生利用について検証した結果、問題がないと判断し、今年度より遮断した状態でネットワーク運用を開始することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度からLayer7Firewallによる詳細なネットワークアクセス情報を取得可能となり、これまで判別が困難であった講義中の動画視聴と講義資料閲覧や演習問題への取り組みについて正確な判定が可能となる。このため、講義開始後、順次ネットワーク利用状況調査と分析を進める。併せて既存のネットワーク接続履歴に基づく位置情報を含む学生の行動指標の基盤となる訓練データセットの作成およびCNNによる分析についても研究を進める。また、近年、著しく革新しているLLM(大規模言語モデル)を活用する方法についても模索し、学生の行動指標の策定を目指す。
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Causes of Carryover |
研究が遅延した理由にも挙げたように、本年度までに取得した情報では QUIC プロトコルの影響で詳細な講義の受講状況を解析ができなかったため、一旦、ログデータの取得を中止し、QUIC プロトコルを遮断した際の影響について調査を行ったため、本課題の研究が進まなかった。 このため、当初、予定していた計画に基づく予算執行ができなかったが、今後、より詳細なデータの取得が可能になった際、保存すべきログデータが増大すると考えられる。そこで、次年度は L7FW から得られる全データおよび訓練データセットとして生成するデータ(いずれも前期・後期の1年間分程度)を保存できるような大容量NASストレージ購入を予定している。
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