2021 Fiscal Year Research-status Report
「学びに向かう力」を涵養するESD支援システムの構築と活用
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21K02820
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹俣 一也 金沢工業大学, 教育支援機構, 教授 (50167491)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 環境計測 / 地球環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
持続可能な社会を実現するには一人ひとりが科学的な観点から地球環境を考えていくことが必要である。本研究ではそれを支えるために地域が生涯にわたってESD(持続可能な開発のための教育)の場を提供し、地域における科学的リテラシーを向上させていく教育活動を提供することを支援する。 そのためには生徒に対して科学リテラシーに応じた持続可能な社会づくりの担い手を育む教育プログラムが必要となってくる。そこで、観測データに基づく教材を教育現場や地域社会への提供を通して地域全体のESD活動を促進する教育システムを検討する。児童生徒が野外活動を通して生態系の仕組みに直接触れ、そこから課題の解決につながる新たな価値観を創出していく仕組みを検討する。その理由はそこで得た体験をベースに地域環境から地球環境へと知識をつなげ、その知識を持続可能な社会を構築するための知恵として活用できるようにするためである。 当該年度は、1)気温・湿度の金沢市内同期観測の教育プログラムの検討として金沢市内中心部50か所および奥能登地区10か所に気温・湿度データロガーを設置し、夏季(7月から9月)の地方都市の熱環境状況を終日10分間隔(能登地区は20分間隔)で調査した。熱環境と人の健康とを関連づけることができる情報を数値化し、その教育利用を検討するため、気温変化を分りやすく説明するコンテンツを検討した。2)大気観測の教育プログラムについて検討し、スカイラジオメータを用いて大気エアロゾルの光学的厚さの日々の変化を観測した。3)白山の雪形観測の教育プログラムについて検討するため、夏期を除く期間において雪形の形成過程に関連する画像を撮影し、地域における歴史・文化と地域環境を説明する教育プログラムとして活用できないかを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
環境計測が機器のトラブルがなく順調に終えることができているためである。ただし、気温変化を分りやすく説明するコンテンツとして立体気温模型を製作中であるが、世界的な部品不足から材料の納品が遅れ、製作については次年度に持ち越している。これについては研究全体に影響することはない。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定どおりに推進する。次年度は前年度に引き続き、金沢市内中心部50か所および奥能登地区10か所に気温・湿度データロガーを設置し、夏季(7月から9月)の地方都市の熱環境状況を調査する。また、それらの観測データを活用した教育コンテンツの製作についても検討する。また、スカイラジオメータを用いて大気エアロゾルの光学的厚さの日々の変化を観測する。さらに、白山の雪形観測の教育プログラムについて検討するため、雪形の形成過程に関連する観測を実施する。
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Causes of Carryover |
今年度は新型コロナ禍であったため、気温変化を分りやすく説明するコンテンツとして製作を予定していた立体気温の材料の納品が遅れている。そのため、これらの材料および製作を次年度に持ち越している。次年度は材料の納品遅延を考慮し、早々にその調達に留意していく。また、観測機器やデータ編集のためのIT関連機器についても上述と同様な理由で調達に時間を要しており、これについても次年度以降は早々の購入に留意していく。また、今年度は国内外における調査を自粛していたが、次年度はこれについても視野に入れて研究を推進していく。
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