2023 Fiscal Year Annual Research Report
LTD授業モデルによるAL型授業の質向上:協同認識とLTD習熟度に着目して
Project/Area Number |
21K02845
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
安永 悟 久留米大学, 文学部, 教授 (60182341)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 協同教育(学習) / LTD授業モデル / アクティブラーニング / 授業評価 / 協同認識 / ディスカッション・スキル / 感情変化 / 習熟度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高等教育における初年次教育科目を主たる対象とし、協同教育の理論と技法に基づくLTD授業モデルによるアクティブラーニング型授業の改善を目的とした。その際、多様な仲間と連携協力しながら課題探究・解決にあたれる力、すなわち協同実践力の育成を教育目的とした。最終年度においては、過去2年間の研究成果に基づきLTD授業モデルを精緻化し、授業内容と実践方法を改善し、引き続き、医学生、看護学生、心理学生を対象として検討を続けた。 看護学生を対象とした最終年度での実践では、LTD授業モデルに沿って展開した初年次教育科目において「協同による新しい学び方」を体験的に獲得させ、「臨床判断力」の基礎となる協同実践力の育成に努めた。授業期間は基礎段階(4/24-25)、習熟段階(6/20)、応用段階(8/29)の4日間であり、1日4コマの集中講義形式で実施した。その結果、感情尺度により測定した授業に対する動機づけは、基礎段階の2日間で急激に高まり、その後も長期間にわたり高い水準を維持できた。この動機づけの変化に呼応するように、協同に対する認識やディスカッション・スキルに対する効力感も基礎段階で大きく改善し、その後も高い水準を維持できた。 医学生を対象とした実践(初年次教育科目、LTD授業モデルの基礎段階中心)においても、看護学生で得た上記の知見と同様の傾向を確認できた。 心理学生を対象とした専門科目において、LTD話し合い学習法の習熟度と学習成績の関係性を検討したが、明確な結論を得るには至らなかった。その原因として、LTDの手続きを体系化したLTD過程プランの理解・習得が不十分であり、習熟の段階まで達していなかった点を指摘できる。また、習熟度の判定方法にも問題があったと考えている。今後はLTDの習得および習熟度の測定方法を再度吟味し、LTD授業モデルによる授業成果との関係を引き続き検討する。
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