2021 Fiscal Year Research-status Report
Developing Digital Materials for a Comprehension-Based Approach to English Grammar and Usage
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21K02854
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中川 右也 三重大学, 教育学部, 准教授 (10551161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 翔 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10821647)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | デジタル教材開発 / 認知言語学 / 英文法・語法学習 / ICT教育 / 教育工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題『理解を伴った英文法・語法学習ができるデジタル教材開発』の目的は、1人1台学習者端末という教育現場の文脈の中で、学習者がタブレット端末で動画を見ながら文法・語法を納得・理解して学ぶことができるシステムを構築することである。GIGAスクール構想が進行されている中で、将来的にはデジタル教科書に本研究で開発された教材を提供する予定であることから、個別最適な学びの実現に向けた教材開発の取り組みである点において重要な研究課題と言える。 英語を学習する際、文法・語法は無味乾燥に暗記を強いられることも少なくない。さらに、既存のデジタル教材のコンテンツについては、規則を単に覚えることを前提に作られているものも多い。本研究では、なぜそのような規則が成り立つのかを認知言語学の知見を援用しつつ、視覚を通して直感的に学習者が理解でき、深い学びへと繋げられるよう工夫を施した教材開発を試みている。なお、本研究で開発する教材は、教師用だけでなく、生徒用のデジタル教科書での活用も視野に入れていることから、使用目的によっては、反転授業での活用へと展開することも可能である。 令和3年度の研究実績として、当初の研究計画通り、まずは教材化する文法・語法の項目を選出した。その項目の文献調査のみならず、デジタル教材を活用した研究であるため、教育工学や心理学など、周辺分野に関する文献調査も同時に行った。 令和3年度は、文型と現在完了、不定詞・動名詞を目的語として取る動詞の教材を試作し、現在完了については、試作教材を活用して実際に学習者を対象にして学習効果を検証した。検証の結果、試作教材の活用効果は認められた。なお、実証研究に関する成果の一部は、中部地区英語教育学会で口頭発表し、さらに『中部地区英語教育学会紀要』51(pp.187-194)に論文として収録されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多くの学習者が特に躓きやすい文法・語法の項目を検定教科書から選出し、その項目の説明の記述を作成するために文献の調査を行った。 その後、説明の妥当性を担保しながら、学習者が視覚的にも理解しやすい教材を試作した。試作として開発した文法・語法の項目は、現在のところ、文型、現在完了、不定詞・動名詞を目的語として取る動詞である。その中でも、現在完了、不定詞・動名詞を目的語として取る動詞の教材を活用した場合における学習効果は検証済みである。不定詞・動名詞を目的語として取る動詞に関する教材は、検証の結果、さらに改善する余地があると考え、現在は教材に修正を施している段階であるが、研究成果報告としての論文は提出済みであり、令和4年度には出版される予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に教材を試作した文法・語法の項目である、現在完了、不定詞・動名詞を目的語として取る動詞については、動画化にする前段階のイラストを作成する計画である。 また、それ以外の文法・語法の項目については、引き続き文献調査をし、教材を試作した後、開発した教材の有用性の検証を行いながら研究を進めていく。 なお、令和3年度と同様に、学会での口頭発表や論文を通して、本研究の課題についての成果報告をする。
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Causes of Carryover |
誤差により生じた分は令和4年度において使用する予定である。
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