2022 Fiscal Year Research-status Report
ロボットの身体性を通じたプログラミング的思考力の獲得に関する研究
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21K02855
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
右田 正夫 滋賀大学, 教育学系, 教授 (70335157)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / タートルグラフィックス / Scratch |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中学校技術科のプログラミング学習にコンピュータ上の仮想的なロボットを用いる場合と実機を用いた場合とで、どのような学習効果の差異が見られるかを明らかにすることを目的としている。昨年度までに、LEGO社のマインドストームEV3を利用した移動ロボットにペンを装着し、ロボットの移動によって図形を描くことのできるプログラミング教材を作成した。ロボットの動作はタブレットにインストールしたScratchによってプログラム可能で、生徒は左右のモーターの回転を調整することで目的の図形を描画する。 本年度は、最初に、中学校の授業においてこの教材を用いるにあたって研究協力者の教員と授業の実施手順に関するリハーサルを行った。リハーサルの結果、使用機器の充電やペンのインク補充の手間など、教員から見た教材としての問題点が明らかになった。本研究の学習教材は、移動ロボット、タブレット、ペンと描画用のボードというように、プログラミング教材としては構成要素が多く、また、ロボットとタブレットとの間の通信の設定も生徒が行うため、4人で1つの班を構成するグループ学習を行うものとした。 授業では、基本的な図形を描画するためのプログラムを見本として生徒に示し、見本のプログラムに基づいて簡単な図形描画の課題を与えた。授業後に、ロボットのプログラミング教材としての使用感などを尋ねるアンケート調査を行い、学習教材としての特徴や改善点に関する示唆が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
中学校においてロボットを用いたプログラミング教材を使用する計画であったが、新型コロナウィルスの感染状況によって授業の実施が遅れた。また、課題申請時に想定していなかった業務の担当により、研究のための十分な時間が確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られたロボット、付属する機材、ロボットの動作のプログラミング法などに関する改善点について改善を施した上で、中学校において実機ロボットとシミュレータを用いたプログラミング学習の授業を行う。授業後にアンケート調査等を行い、実機とシミュレータのプログラミング教材としての特性の違いを明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究の進捗に遅れが生じたため旅費や実験の補助者への謝金等が未使用になった。 繰り越し額は消耗品費、旅費、謝金等で使用する。
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