2022 Fiscal Year Research-status Report
高等教育における授業の課題発見を促進する事例データベースの構築:類推力に着目して
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21K02858
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 暁子 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (20648969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹岡 篤永 新潟大学, 教育・学生支援機構, 特任准教授 (30553458)
根本 淳子 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (80423656)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | FD / 授業コンサルテーション / 授業事例データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、統合型問題解決学習環境の基盤となる授業事例DBの構築である。本DBで扱う授業事例とは、現実の実践を可能な限り文章化したケース教材を意味する。本年度は、ケース教材の元となるインタビュー調査や現地調査を実施した。 まずは、第3回大学版上級ID専門家養成講座にファシリテーターとして参加した修了生4名に行ったフォーカスグループインタビューの分析を行った。インタビュー時間は約50分であった。録画データは文字起こしし、発話者ごとにテキスト化して意味のある内容ごとに分けた。1回の発話が長い場合などは内容ごとに分割し、最後に各セグメントにラベルをつけ整理した。その結果、おおまかに「前回講座との差異」「講座の改善点」「継続参加の効果」の3点に整理できた。全体を通して、修了者がID(Instructional Design)的な視点や相手に寄り添う視点で本講座を振り返り、お互いの発言を尊重しながら本講座の改善提案を活発に行っている様子が見られた。このことから、IDを共通言語とした大学教育改善の実践コミュニティが構築されつつあることが示唆された。 また、6名の大学教員にご協力いただき、授業実践事例のインタビュー調査および現地調査を実施した。各大学2名ずつのペアで、授業コンサルテーションをする立場と、授業を担当する教員の立場でお話を伺った。同じ授業を異なる視点で語ってもらうことができたことから、多様な視点のケース教材を開発するための資料を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年までコロナ禍の影響で遅れていたインタビュー調査・現地調査を実施することができ、ケース教材の元となる情報収集ができたと考えた。また、当初計画していた教育工学専門家インタビューも、第3回大学版上級ID専門家養成講座のフォーカスグループインタビューで実現できた。以上から、おおむね順調に進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度はデータベースの構築を行う計画である。令和4年度に情報収集したデータについて、分担者と協力して先行研究を参考に「8つの質問」の観点で分析を行う。その分析結果に基づき、データベース化を試みる。
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Causes of Carryover |
まずはコロナ禍の影響で旅費が使用できず前年度から繰り越しとなっていた。その旅費について、分担者1名が科研費を支出できない業務に携わっていたため、次年度使用額が生じた。次年度は分担者の所属が変わるため、問題なく使用できる。
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Research Products
(1 results)